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民営バスに揺られること、15分。
バスが終点のバスターミナルに停まる。
バスから降り集合場所に向かうと、
そこにはすでに2人の姿があった。
おそらく…というか絶対、彼らの顔の良さに釣られたであろう女の子達が2人の周りを囲むようにわらわらと集まっている。
当の本人達はというと、何やら楽しそうに話し込んでいて自分達に向けられている熱い視線には気付いていないらしい。
私があんなにジロジロ見られたら
服裏表反対だったかな？とか
髪の毛に鳥の糞付いてるのかな？とか
色々考えちゃいそうなもんだけど。
このギャラリーの中駆け寄るのは
ちょっとハードルが高いんだけど…
なんて思っていた私の思いが届いたのか
ジェミンが私に気づき、こちらへと駆け寄ってくる。
「A！来てたの？」
『あぁ、うん…いや、今きたとこかな…？』
「なんで疑問系なの？笑」
『いや、はは…なんというか…
というか待たせちゃってたみたいでごめんね』
周りの方達の目が怖くて…
なんてその張本人たちの目の前で言えるはずもなく
苦笑いを浮かべながらなんとかその場を誤魔化す。
「いや、全然。じゃあ行こっか」
そういって映画館を指さしたジェミン。
うん、と返して3人並んで歩き出す。
「Aちゃん、そのワンピース似合ってる」
『っ、ジェノさん…
急に耳元で喋るのやめてくださいよ…』
今の絶対囁く必要なかったよね？
ジェノさんに囁かれた右耳が
じわじわと熱くなっていくのを感じる。
「ふふ、耳真っ赤」
そう言いながら追い討ちをかけるように
指で耳をツンツンと触ってくるジェノさん。
咄嗟に右耳を手で隠す。
焦る私が面白いのかケラケラと笑いながら
「かわいいね」
なんて台詞を好きでもない女にサラッと言っちゃうんだからほんとにジェノさんは最高の人誑しだと思う。
今日一日心臓待つかな…と頭を悩ませていると、
左手がスッと誰かの手に絡め取られた。
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作者名：NINI | 作成日時：2021年2月13日 22時
