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『あ、ジェミナ…おはよう』
後ろを振り返るとそこにはジェミンが立っていた。
「おはよう
…で、二人はどうゆう関係？」
私を一瞥しておはようと言い、
こちらへと歩み寄ってくるジェミンは
どこかいつもとは雰囲気だ。
ジェノさんと私の関係
コンビニの常連さん？それとも友達？
いや、友達流石に自惚れすぎか…
と、ジェノさんとの関係性を表す言葉を探していると
私の隣に立っているジェノさんが口を開いた。
「友達だよ、今はまだ…ね？」
そう言いながら私の顔を覗き込んで
同意を求めてくるジェノさんに釣られて
私も思わず首を縦に振ってしまう。
私とジェノさんのやりとりを不服そうに
眺めていたジェミンは不満げな表情で
へぇ…とだけ返して私の横に並んだ。
「あ、そうそう
今日はこれ渡そうと思って来たんだ」
何とも言い難い微妙な雰囲気に
どこか窮屈さを感じていると、
その雰囲気をぶち壊すような明るい声で
私にチケットを差し出してきたジェノさん。
『Dear.7…？
って、これ最近話題の映画ですよね！』
「そうそう、大学の友達に貰ったんだけど
折角だしAちゃんと一緒に行きたいなって」
どうかな…？
と不安気な顔で聞いてきたジェノさんに対して
頷く以外の選択肢などなくぶんぶんと首を縦に振りながら行きます！と返事をした。
『これ実は見たいと思ってたやつなんです！』
「ははっ、よかった」
じゃあ、これと言って手渡された映画のチケット。
チケットを制服のポケットへと入れようとすると
後ろからジェミンの手が伸びてきて
ガシッとチケットを持っていた手を掴まれる。
「今週の土曜日のチケットなんだ…これ」
チケットを見ながら
「ふ〜ん、そっかそっか〜」
と、わざとらしい反応をしながら
不敵な笑みを浮かべるジェミン
『きゅ、急にどうしたの…？』
「いや、これ俺も見たいなぁって」
「え、…」
笑顔でそう言い放ったジェミンとは対照的に
今度はジェノさんの表情が曇り始める。
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作者名：NINI | 作成日時：2021年2月13日 22時
