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･
『んん……』
意識が徐々に覚醒していく。
なんだかよく眠れたな、
なんて、思いながらゆっくり瞼を開いていく。
『！』
そこには、謙杜の綺麗な顔。
それは繋いだ手を隔ててすぐそばにあった。
その謙杜はといえば、すやすやと寝息を立てている。
繋いだ手に目を落とせば、普通に握っていたはずのそれは、いつの間にか恋人繋ぎになっていて、密着度が増してた。
謙杜とその繋ぎ方をするのは初めてで、
少し心臓が跳ねた。
そこから自然と目線は謙杜へと向く。
目を閉じていてもわかる、端正さが目を惹く。
私は無意識のうちに彼の頭へと手を伸ばしていた。
さらさらの髪を撫でる。
こうやって謙杜の髪を撫でたのなんて、いつぶりだろう。
彼がジャニーズに入ってから自重していたような気もするし、彼にも避けられていたような気もする。
久しぶりに触るその髪は、以前よりもさらさらで、
やっぱり謙杜が気を使っていることに気づく。
素敵な男性に育っちゃって、
もう届かない気さえするのに、
今は隣で眠っている彼。
その事実に頬が緩む。
やっぱり、謙杜の隣に居れるのは、嬉しい。
その再確認ができた気がした。
このまま、また眠ってしまいたいーーとか思いながら、
私の手はゆっくりと髪を撫で続けている。
『……かわい…』
思わず漏れたその一言に、
謙杜はぱち、と目を開けた。
視線が交わる。
謙｢……おはよ？｣
『…おはよ』
彼はふにゃ、とどこか嬉しそうに笑って。
そして、その視線は繋いだ手に落ちる。
謙｢……Aちゃんの、えっち｣
『ええっ！？』
謙｢こんな繋ぎ方、してへんかったやん…｣
『…起きたら、こうなってて…』
謙｢…無意識なん？｣
『お互い、ね？』
謙｢ふふ、なんや。俺らめっちゃ好き同士やん｣
『なっ！、』
謙｢ちゃう？｣
『…いじわる……』
謙｢ふふ｣
彼は寝起きのくせに、するする言葉が出てくる彼。
小悪魔過ぎるその笑顔が私を翻弄していく。
それも、嫌じゃないなんて、
私も謙杜の色に染められてるなーなんて思って。
私もつられて笑ってしまった。
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作者名：SOLa | 作成日時：2023年4月16日 9時
