82/作者からのお知らせ ページ50
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『……お祝い、って…………なに？』
口をついた言葉はそれで。
固まった私に合わせて、謙杜も立ち止まった。
謙｢まあ、大吾くんにも内緒にしててんけどな？｣
彼はそう言って、薄く笑った。
謙｢…先々月？流星くんが写真撮ってきててん｣
突然出た大西くんの名前。
謙｢大吾くんだけ見えてて、
大ちゃん激写ーって絡もうとしてて｣
謙｢そしたら、女の子にでこちゅーしよったんやって｣
それは。
それは。それは。
心当たりが、あった。
最後に会った日の、別れ際……。
指先からどんどん冷えて冷たくなっていく感覚がする。
謙｢流星くん、それ、大吾くん除いたメンバーに見せてさ｣
謙｢大ちゃん俺一筋やなかったーって｣
謙｢流星くんには悪意なんてなくて｣
謙｢気づいてへんかったんやと思う。
Aやって｣
謙｢でも、俺らは、気づいてしまって。｣
謙｢ああ、大吾くん選んだんやなーって｣
謙｢大橋くんもみっちーも、俺と同じ顔しててん｣
謙｢……最近どこか辛そうやったけど、
相談できひんかったんやー、
Aは言い出しきれんかったんやーって｣
謙｢なら、俺らはAの選択、大切にしたろって｣
謙｢…そう、思って……っ｣
謙｢……それで、っ……今日……｣
話してくれる謙杜は、いつの間にか涙を流していた。
なんて、運命なんだろう。
私は、彼の涙を見ながら、そんなことを思った。
彼らは、今日いつもと変わらなかった。
いつも通り、優しかった。
それが、今、すごく胸に刺さる。
私の選択だ、と思ったことを優先してくれて。
ああなんて素敵な人たちなんだろう、って。
私が、これからしないといけないことが、決まった。
誤解を解いて。
全員断ることを伝えて。
もう、会えない、と言うこと。
その選択が、彼らのためになると信じて。
さら…と彼の髪が靡いた。
彼の瞳は濡れたまま、私を捉えている。
私は、意を決して、口を開いたーーー。
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続編のお知らせ
ここまでご覧いただきありがとうございます。
50話になりましたので、続編へと移行いたします。
物語も終盤となって参りました。
続けてご覧いただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
評価をいただけると嬉しいです…(小声)
SOLa
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作者名：SOLa | 作成日時：2023年4月16日 9時
