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良くない。
なにも解決しない。
誰も喜ばない。
1番、最低な、答えーーーーーー。
『私、みっちーも和くんも謙杜も、みんな、好き』
2回目、そう口にした時。
私の中にすとんっとその言葉が、事実が、
落とし込まれる。
結論が出たのに、すっきりするなんてことは程遠くて。
むしろ気持ち悪ささえ覚える。
みんな私に誠実な想いを向けてくれているのに、
誰一人にとして、誠実な答えを返せない。
みんなと、それぞれと一緒に過ごせば、
いちばんが見つかると思ってた。
誰か一人を選べて、
その人と共に歩んでいけると思ってた。
でも、違った。
それぞれの魅力は似ているようで違っていて。
それぞれに惹かれてしまう。
結果が、これだ。
『…………私、最低だ…………』
好き。
その言葉が、
こんなにも重たいものだなんて知らなかった。
こんなにも、私に刺さるとは、思わなかった。
そう、自覚してから、彼らからの好意が、
胸をえぐるような痛みとなった。
駿｢…Aさん、好き｣
和｢…Aちゃん、好きやで｣
謙｢…A、好きや｣
その言葉は嬉しいのに、酷く私の胸をえぐる。
私も、と返したくなってしまう。
3人ともに。
そう返したら喜んでくれるだろうか、と考えては。
残りの2人の顔が浮かんで、胸が痛くなる。
私には、選べない。
私は何も、成長出来ていない。
最低な私に、私は呑まれていく。
大好きで、大切な彼らを
傷つけることしか、選べない。
会う度に、好きは大きくなって。
私の心はどんどん重くなって。
どうすればいいのか、分からなくなる。
深い水底にいるような感覚さえ、覚える。
たまに差す光は温かくて幸せで。
それでいて、その光と離れてしまえば、
暗く、重く、冷たいものだけに呑まれる。
苦しい。
苦しい。
苦しい。
助けて、ほしい……。
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･
｢そろそろ来るんちゃうかって、思っとった｣
引き出しに仕舞っていたあの鍵は、
いつの間にか私の手の中にあって。
ただ、そう言って微笑む大吾くんが目の前にいた。
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作者名：SOLa | 作成日時：2023年4月16日 9時
