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和｢…来てくれて、ありがとう
今日はな、ちょっと、伝えたいことがあってん｣
彼は今まで見たことないくらい真剣な顔でそんなことを口にする。
ああ、なんか、これは、だめかもしれないーーー。
風が彼の前髪を揺らした。
和｢…俺、Aちゃんのこと、好き｣
どきん、と鳴る心臓。
それは徐々に早さを増し、現実味を帯びさせる。
みっちーを待たせないって思ったのに、
この心臓は、それを嘲るように他の人へも高鳴るーーー。
和｢……こんな時に
わかってる
でも、今言わな後悔すると思ってん｣
彼のその言葉は、真剣で、切なげな瞳が嫌に印象的で。
大橋和也であるはずが、他の人であるかのような錯覚さえ覚える。
いつもにこにこしてる彼からは想像がつかないその姿。
和｢こんな、好きんなったん初めてなんや｣
こんな姿、見たことあるのは私だけ。
そう言われた気がして、一気に顔が熱くなる。
和｢俺は、どんなAちゃんでも、受け入れるよ｣
その言葉は、ひどく魅力的で。
蠱惑的に耳に響く。
こんな、こんな、だめな私でも、
受け入れてくれるーーー。
そんな魅力的な言葉、他にないんじゃないかーーー。
そう、思ってしまう。
和｢…ほんまに、Aちゃんが、好き｣
繰り返されるその言葉が、
頭に反響して、甘い余韻を残す。
和｢この気持ちだけは誰にも負けへんよ｣
彼の真剣な熱っぽいその瞳は私を捉えて離さなかった。
私の全身は熱くなるばかりで、
吹く風にも冷めさせられそうにない。
さらさらと揺れる彼の髪が、
私の心も揺らしていく。
和｢……その
彼は切なそうに私の頬を撫でた。
その指先は、私の頬よりも熱くて。
少し震えていて。
彼の緊張が伝わってくる。
私は。
考えるよりも先に。
その言葉に、頷いていたーーーーーー。
私の心を占める大橋くんの割合がこんなに大きかったなんて、初めて知った。
今まで包み込んでくれていた彼の笑顔ーーー。
みっちーと歩もうと思っていたはずなのに、
簡単に揺れ動く自分の弱さが嫌になる。
ー俺は、どんなAちゃんでも、受け入れるよー
その言葉が、きっと今の私が1番ほしかったもの。
それをくれた彼を断るなんて、
私にはできっこなかったんだーーーー。
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作者名：SOLa | 作成日時：2023年4月16日 9時
