Don't let go, can't let go． 2 (ページ30)

今日:11 hit、昨日:22 hit、合計:61,477 hit

62 ページ30

･

謙｢じゃ、かんぱーい！｣

『かんぱい…』

いつも通り、なにもかもいつも通りに
飲み会が進んでいく｡

雑談して、お酒飲んで。

なにもなかったかのように進む飲み会。

謙｢そんでな、今日ーーーーー｣

『そうだったの！？それは大変だったねーーー』

謙｢せやろー？でなーーーーーーー｣

続く会話は途切れることを知らず。

本当になにもなかったかのように
気軽な会話が続く。

ずっと笑ってるわけじゃないし、
お互いきつかったこととかも話すのに、
やっぱりずっと楽しくて。

そうだよ。

この距離感が、1番心地いいーーーー。

謙杜だって、そう思ったから、

こんな態度なんでしょーーーーー？

少し寂しい気もする、けれど。

謙杜が望むなら、私もーーーーーーー。

……
…………
………………

あの1日から、早3ヶ月。

今思い返しても、あの日は激動の1日だったと思う。
大吾くんと温泉。
みっちーからの、告白。
そして謙杜との……。

あれから、謙杜とは変わらず月1で飲み会をしている。
スキンシップが一切なくなって、
本当にただの幼馴染、のような距離感。
でも、やっぱりそれが心地よくて。
最初は少し寂しくも感じていたその距離感にも慣れて。
普通に話せて嬉しい私は、
あの日のことを心の奥底にしまった。

もう会えない気さえしていたのは、
きっとあの謙杜のことーーーーー。

大吾くんとも、変わらず月1でおうちまったりを続けている。
しかも、彼からのスキンシップは増え続けていて。
増えている、というか、一緒に居る時は
常にどこかしらが触れ合っている状態だ。
手を繋いだり、ぎゅーしたり……。
それがもはや当たり前になってきているのが、少し怖い。

…結局、あのキスマのことは、聞けずじまいで。
なんだかあの話を持ち出すと、
この関係のままでいることができなくなる気がして。

和くんとは、月2の頻度で一緒にご飯を食べている。
あの日、唯一関わらなかった彼とは1番関わりやすくて。
…和くんと居る時は、
他の人のことを思い浮かべなくていいからーーー。
明るくて楽しい時間を過ごすことが出来る。
包み込んでくれそうな彼は、
にこにこしていて、私も自然と笑顔になる。

一緒に居る時、いちばん笑っていられるのが、
和くんーーー。