Don't let go, can't let go． 2 (ページ22)

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大｢…恥ずかしいん？

……真っ赤やで…？｣

髪束を優しく離した彼の指が、
すり、と私の頬を撫でていく。
その指先はゆっくりと動き、首筋をかすめていった。

…変に冷たく感じたその指先は、
きっと私の頬が熱すぎただけなんだろう。

大｢…顔、洗ってきい？ご飯食べようや｣

彼はさっきまでのことが無かったかのように
慈しむように私を見つめ、そう言う。

その言葉に誘われた私は、ベッドを後にした。

……
…………
………………

待ち合わせをした、駅前。
別れもそこで。

大｢じゃあ、またな｣

『あの、ありがとうございました！』

大｢息抜きになったならええんよ｣

にこ、と微笑んだ彼は、今朝と同じように
私の頬を撫で、その指先は首筋をかすめていった。

ほなな、と彼は名残惜しさなんて感じさせないまま、
私に背中を向けて去っていく。

スキンシップが多い彼にドギマギしながら
過ごしたこの1泊2日はなんだかんだ楽しくて。
とても、幸せだった。

きっと、この幸せを抱きしめながら、
今日は眠るんだろうなーーなんて考えていた。

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ピーンポーン

帰宅したその日、夕日が眩しいその時間。
インターホンが鳴った。

なにか通販とかしてたっけなーーー？

そんなことを思いながら、ディスプレイを見る。

ーーーーーみっちー？

そこに立っていたのは、みっちーその人。
今日約束とかしてなかったよね？と少し不安になるのは当然で、彼が今までこうやって訪ねてきたことはなかったからだ。
それでも出ないわけにはいかない。

『はい…』

駿｢あ、Aさん？道枝です｣

『えっと…見えてるよ？』

駿｢あ、そっか……｣

なんか思っていた以上に普通のみっちーで、拍子抜けした私は少し笑ってしまう。

彼は少し恥ずかしそうに頭をかいて、
ぱ、とこっちを真剣そうな顔で見る。

駿｢…今、ちょっと出てこれたりしない、ですか？｣

『え、うん、大丈夫だけど……』

駿｢…じゃあ、ココの前で待ってるな？｣

『わ、わかった、すぐ行くね』

さっきは拍子抜けして笑っていたのに、
彼の真剣な表情に私まで少し強ばってしまう。

彼のたまにでるその敬語が、それを際立たせていて…。

私はぱたぱたと準備をして、
急いでみっちーの待つところへ。

駿｢あ、Aさん｣

そう言って顔を綻ばせた彼の瞳は

どこか暗く苦しそう、に見えたーーーー。