Side 大橋和也 あの日 1 ページ34
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Side 大橋和也 あの日
今日、謙杜になにわ男子メンバーみんなが呼び出された。
場所は、ホテルの謙杜の部屋。
謙杜がメンバーを呼び出すことなんて中々ないから、みんな陰で噂してた。
“トランプ大会でも開催するんやないか”とか、
“部屋で呑み会したくて呼んだんやないか”とか、
色々噂しとったけど。
その中でも、
“謙杜は彼女をメンバーに紹介するつもりやないか”
っていう話が1番あるんやないかなって、俺は思っとった。
なんか、こう、呼び出された時の緊張の仕方がいつもと違ってたんが、そう思わせた1番の理由。
呼び出された時間まであと少し。
俺も、行かなあかんな、と自分の部屋のカードキーをポケットへ入れた。
その時、ヴー、とポケットの中のスマホが揺れた。
見れば、丈くんからメッセージ。
丈一郎謙杜、迎え行ってくるって部屋出てったんやけど!!
それで丈くんはもう謙杜の部屋に居るんやってことと、
謙杜はほんまに誰かを俺らに紹介しようとしてんねやってことが、分かった。
俺は、少し急いで、自分の部屋を出た。
エレベーターを待つ。
こんな時に限ってまだ2階とかやって、階段で行こかとも思ったものの、何故か、今日は待とう、と思った。
エレベーターが俺のいる階数を表示し、
扉が開く。
そこには、謙杜がいて、もう1人誰かがいた。
俺は真っ先に謙杜と目が合い、声をかける。
｢あれ、謙社やん！｣
長尾｢あ、大橋くん…｣
謙杜は、少し残念そうな顔をしていた、ような気がする。
俺は、謙杜と一緒にいた、もう1人に目を向ける。
｢！！｣
なんやこれ。
こんな、ほんまに、電流が走るみたいなこと、あるん？？
俺はびっくりするほど、
そこにいた彼女に気持ちを持っていかれた。
好きになったわけやない。
見た目も、すっごい可愛いわけやない。
謙杜の隣に立つと少し大人っぽいってだけ。
やけど、ものすごく、惹かれる何かが、彼女にはあった。
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作者名：SOLa | 作成日時：2023年3月6日 23時
