Don't let go, can't let go． (ページ25)

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Side 長尾謙杜あの日 2 ページ25

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Aもうすぐ着くけど、ほんとにするの?

ほんとに告白するの？と聞かれているような気がしてきて、
今日はせんでええんちゃうかって思ってまう。

そんな甘ったれた考えを吹き飛ばし、
こっそりAの後ろへと周る。

｢なーに今更怖気付いてんねんっ！｣

A｢わ…！｣

そんなことを言って、Aを小突く。

驚くんも可愛ええなんて、もう俺、どうしたらええんや
なんて内心思いながら。

｢“ほんとにするの？”ってなんやねん、するって言うたらするんやって、ほら！｣

A｢え、ちょっ、待って！！｣

Aを後ろからぐいぐいと押し、エレベーターへと乗り込ませる。手早く、かち、と階数を押し、エレベーターが上がり始める。

｢観念しいや。もう逃げられへんで｣

A｢…わかってるよ｣

｢もう大橋くん以外集まってんねから｣

A｢…うーーーー｣

その言葉は、自分にも言い聞かせるように言う。

もう、逃げられへん。
ここで言わな。

ふぅ、と深呼吸をする。

｢…A｣

A｢なぁに、謙社｣

｢俺な、｣

Aのことが――。