Side 長尾謙杜 あの日 1 ページ24
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Side 長尾謙杜
俺には、ずっと好きな人がおる。
ほんまに、ずっと。
もうこの人しか要らんって思うほど。
1個うえの幼馴染の、A。
Aが、テレビや舞台の人をかっこいいって言ったから、浅いけど、Aにかっこいいって思われたくて、
ただの年下の幼馴染から脱却したくて、
俺の今がある。
どこが好きかなんて、もう覚えてなくて、
もう、全部が好きで、愛しくて。
何度も告おうとしたけど、
もう話してくれんくなったらって考えてしもうて、
今の関係のまま、もう20歳になった。
俺も、そろそろ大人にならなあかん。
びびってたってなんの進展もないんやから。
そう思って、あるわけない幼馴染紹介ノリなんて言って、Aを誘い出して、自分を追い詰める。
幼馴染紹介ノリなんてあるはずないのに、それを信じて来てくれるAが可愛くて、ちょっと心配にはなったけど。
なにわ男子のみんなに、Aを彼女として、紹介する。
この際、告白するんは2人きりなら何処でもええ。
ほんまはロマンチックなとこが良かったけど、そんなんしてるうちに怖気付いてしまう気がする、のはこれまでのことがあるから、間違いあらへん。
どこで告白しようと、いずれ2人で思い出した時には笑い話になるやろし、プロポーズをロマンチックなとこですれば、その差できっとAも笑ってくれるはずや。
そうや、エレベーターで…
そんなことを考えていると、Aがきょろきょろしながら、俺の呼び出したホテルのロビーに入ってきた。
今日も可愛ええな、なんてことを思ってしまうのはいつものことで。
ポケットの中のスマホが揺れた。
開けば、Aからのメッセージ。
Aもうすぐ着くけど、ほんとにするの?
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作者名：SOLa | 作成日時：2023年3月6日 23時
