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玲於「珍しいね、まこっちゃんが人がいるところに出歩くなんて」


慎「ま、まぁ、たまには必要かなとか思って」


玲於「ふーん」









玲於さんは感が鋭いな。


普段、飲みに歩くこともない俺が


玲於さんを誘って、結構な人が集まる


有名なデザイナーさん主催のイベントに来ている。


もしかしたら、こういったところで出会えないかなって。


ここに限らず、この前もクラブのゆるい版にもいってみた。


けどまあ女の人からグイグイ来られて走って逃げたけど


でもやっぱり、女の人は苦手だ。


今もそう、


俺らがあの佐野玲於と長谷川慎って知っている人だっている


そんなキャピキャピしなくていいって。

















慎「…はぁ。」






疲れた。


とにかく疲れた。


ダメだ、女の人も、大人の世界も、


芸能の世界も、


どこもかしこも、疲れる。


なんかなあ、つまんないわけではないけど


なんかなあ!!!









慎「あーーっ!」







誰もいない、1人の部屋に


叫んでも消えていく、虚しい叫び声。







まもなく2週間。


彼女が、ここに来てから、






いや、ここに連れ込んでから。









慎「…」









ずっとリビングの、テレビの前のテーブルに


彼女が忘れていったピアスが置いてある。


これ、なかなかのイイヤツ


あの子、一体どんなどこのお嬢様なんだ?


いや、でも契約切られそうだとか


身内がなんとかかんとか、とか


よくわかんないや


よくわかんないけど、でも、


あーーー、よくわかんない!!!







でもこのピアス、片耳だけ


落としていったのは片耳だけ


ってことはいつか、これの片方


片方を着けた人が現れるってことだよね


壱馬さんがいつしか言っていた


シンデレラみたいに落としてったもん


絶対取りに来る


『必然的に』取りに来ることになるって。







だからきっと、"あの子" も


また俺の前に現れると信じてる


今でも蘇る、あのちょっと儚い顔







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作者名:サトウプリン | 作成日時:2020年7月1日 0時

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