【QK短編集】君との愛濃度

続き ページ10

〈こうちゃんside〉

渡｢俺が…分かりやすい…！？｣

山｢こうちゃん、今初めて気づいた感じだけど結構昔からだからね？｣

渡｢昔から…！？｣


山本さんは少しそっぽをむいて口をあける。

山｢てかさ、今日はずっと仲良くしてたら許してくれるって本気？｣

渡｢本気ですよ！嘘だと思ったんですか？｣

山｢や…本気だと思ってたけど、なんか…あの…は、恥ずかしいじゃん…。｣

そう言って顔を手で覆う山本さんに

渡｢(ｽﾞｯｷｭﾝ)｣

反応するように俺の心の音がなる。

ずっきゅん…？？…？？？

不思議に思っているとどんどん速くなる俺の鼓動音。

なんだ なんだ これ 病気…？ 今日はずっと元気だったはず…。

山｢…こうちゃん？｣

渡｢あっ…は、はい！な、なななんでしょう？｣

山｢仲がいいってどんな感じ？｣

渡｢手…繋ぐとかですかね？｣

もちろん冗談だ。
山本さんも冗談と捉えてくれて…
山｢…繋ぐ？はい。こうちゃんも手出して？｣

…いや、捉えてくれてないっ！！！

冗談ですと言えないほど山本さんの目は真っ直ぐで全てを見透かされているような気がした。

渡｢…あ、はい。｣

あー…今手汗凄いかも。最悪だー。
息ってどうやって吸うんだっけ？どうしよう山本さんの顔見れないよ。
山本さんは今どんなこと思ってるんだろう。

山本さんがどんなことを思っていても、俺と山本さんが手を繋いでいるという事実は変わらない。

内心 少し嬉しいと感じていると山本さんが知ったら引かれてしまうだろうか。


(ｶﾁｯ…ｶﾁｯ…)

撮影部屋に時計の針の音だけが響く。

どうやら、手を繋いでいられるのは20数分らしい。
撮影待ちなら 長すぎると思うが、手を繋いでいるとなったら、話が変わってくる。

今はとても とても短いと思ってしまう。








(ｶﾁｯ…ｶﾁｯ…)

あぁ、このまま時間が止まればいいのに。

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