【QK短編集】君との愛濃度

仕方ないの(ko×ymmt) ページ42

俺らは仲がいいとよく言われる2人だ。
自分でもそう思う。
だから、安心していた。
離れていくことを知らなかった。

〈感謝祭前日〉

渡｢山本さん！スタバの新作出たんですけど、このあと行きません！？｣

山｢あー…今日は長引きそう…また今度でいい？｣

渡｢分かりました！仕事頑張ってください！｣

山｢ありがとう！｣

｢仕方ない｣が原因だったんだろう。

―――

渡｢お先に失礼しますー！｣

伊･川･福･山｢お疲れー。｣

あー…早くスタバの新作一緒に飲みたいなぁ。
あと、色々話したいこともあるんだよね。

山本さん、動画編集もするようになったからな。一際忙しくなったんだろうなぁ。俺も頑張らなきゃ。








―――
〈感謝祭当日 朝〉

伊｢じゃあ…ちょっと休憩しようか。｣


あ、休憩時間だ！今なら山本さんと話せる！

渡｢山本さん！｣

山｢なにー？｣

渡｢あのっ！話したいことがあっt…｣
なんか結構偉い人｢山本くん。ちょっと良いかな？｣

山｢あ、呼ばれちゃった。ごめん。行ってくるね。｣

渡｢はい！いってらっしゃい。｣

話せなかったなぁ…次話せるタイミングはいつになるのかな…仕方ないの。


*


あ！山本さん！帰ってきた！

渡｢おかえりなさいー。｣

山｢た、ただいま。｣

渡｢？…山本さん。顔色悪いですよ？｣

山｢…えっ？｣

渡｢お茶いります？｣

山｢あ…ありがとう。｣


それからしばらく山本さんは暗い顔をしていた。

―――

伊｢…では、今日は本当に本当に皆様お疲れ様でした！｣

全｢お疲れ様でした！｣



山本さん


あんなに悲しい顔をしてたのにほっとけないよ








渡｢山本さん！一緒に帰りましょ！！！｣

山｢ごめん。急いでるから。じゃあね。お疲れ。｣

え





離れてくの？俺やだよ。
離れないでよ。







これ、あれだ。漫画でよくある、









大切なものに失ってから気づく、あれだ。


山本さん大好きだ。大好きだ。
大好きだから、離れていってほしくないんだ。

今まで通りいたい。
今まで通り以上でもいい。

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