【QK短編集】君との愛濃度

続き ページ36

山本は福良さんにレンゲを差し出した。


福｢ありがと｣
(ｶﾞｼｬﾝｯｯ)

レンゲは福良さんの指の間をすり抜け、重力に逆らうことも無く、おぼんに落ちた。

山｢だ、だ大丈夫ですかっ！？｣

福｢だいじょうぶ。ごめん。てにちから はいらないみたい。
…だれか たべさせt…｣
山｢僕っ。食べさせますよっ！｣

須｢いや、山本はご飯作ってくれたし疲れたでしょ？休みなよ。俺がする。｣

伊｢いやいや、俺、ここ来てから何もしてないんでここは俺に任せてくだs…｣
(ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ♪)

チャイムが鳴った。

須｢は、はーい！｣

まさか…いや、そんな事はないと信じたい。
これ以上敵が増えるのは御免だ。どうか、宅急便とかその辺であれ…








川･渡｢えっ！？須貝さん！？｣

須｢そのくだり一回したから。とりま入りな。｣

渡｢えっ。くだりって何のくだりですか…｣




福｢なにー？みんなきてくれたのー？かぜうつるだけだよー…｣

川｢いや、大丈夫です！｣

渡｢俺、小学校の時、皆勤賞でしたから！大丈夫です！｣

福｢そっか…ねぇやまもと。｣

山｢は、はいぃ！｣

福｢きゅうに しょくよく なくなっちゃった…ごめん。ちょっと ねる…｣

山｢全然大丈夫です！ゆっくりして下さいっ！｣

みんなの目は『なに山本(さん)だけたくさん喋ってんだよ。』という目だ。

福良さんは寝た。その間、俺たちは別室で待機している。傍から見れば、仲の良さそうな仕事仲間だが、内心は、福良さんを巡って戦うライバルだ。

今にも喧嘩しそうな勢いだが、ある1つの音が聞こえた。

福｢…ゔぅ…ゔ…｣

皆はこういう時だけ耳がいい。誰が福良さんを安心させるか。これは今後の好感度問題に関わってくる。

皆は急いで福良さんの所まで行くと

福｢ゔ…た、たすけてっ…｣

川｢ふくらさん…！！｣

須｢誰なの…！？誰に助けてほしいの…！？｣

福｢…t…ゔぅ…｣

福良さんは何かを言おうとしたが、よっぽど辛いのか、声は発せられず、唸るだけだった。

川｢t…って言った？｣

山｢t…って言ったね。｣

渡｢t…って言った。｣

t…といったら…




伊｢…拓司。｣

川｢拓郎という可能性もありますよ。｣

須｢ちょ、待てよ。1人忘れてね？｣

伊｢あ｣
川｢あ｣

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