39 (涼太side) ページ39
涼太「A、大丈夫そうだった？」
玲於「はい」
涼太「玲於、A家まで送ってくれてありがと」
玲於「大丈夫っす」
涼太「そういえば」
玲於「違う………」
言葉を遮るように、玲於は低く呟く。
涼太「え？」
玲於「涼太君が聞きたいこと、違いますよね」
涼太「………」
振り向くと、真っ直ぐに僕を見つめる玲於に、貼り付けた笑顔が崩れそうになった。
玲於「アイツ、泣いてました」
涼太「は………」
玲於「さっき、保健室で涼太君の名前呼びながら、泣いてたんすよアイツ」
一瞬で、顔が強ばっていくのを感じた。
玲於「何があったか聞いてないけど、アイツを…Aを泣かせんなら、俺…」
玲於は何か言いかけて、ぐっと言葉を飲み込んだ。
その表情は、少し悔しそうに顔を歪ませて。
玲於「………何でもないっす」
涼太「………」
僕は、何も言わなかった。
何も、
言えなかった。
返す言葉が見つからない、というよりは
言葉をうまく紡ぐことが出来なかった。
Aは滅多に泣かない女の子だった。
自分の弱みを見せないようにいつも笑顔で。
僕は、そんなAを泣かせてしまった。
Aには、一番笑っていて欲しかったのに。
それはきっと、玲於も同じなのだろう。
だって、玲於のその表情は僕がよく知っているから。
玲於「じゃ、お邪魔しました」
胸が張り裂けそうにずくんと痛む。
玲於、Aのこと呼び捨てで呼んでたな。
『しないの？告白』
ふいに亜嵐君の言葉が頭を過った。
ごめん、亜嵐君。
僕はAを幸せに出来ないや……。
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りんごあめ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2018年8月21日 3時) (
レス) id: 48f85d8274 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - これ好きです！ (2018年6月20日 17時) (レス) id: 8b89ed48aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年4月15日 2時
