38 この感情は ページ38
玲於「………じゃ、俺そろそろ帰ります」
この雰囲気を壊すかのように、
最初に口を開いたのは玲於だった。
玲於は、そう言って立ち上がると、私にそっと耳打ちした。
玲於「……何があったか知らないけど、
涼太君とゆっくり話せば？」
A「……！ありがとう……！」
彼は今まで私に何も聞かなかった。
違う。あえて聞かないでくれた。
だけど玲於は知ってたんだ。
私が何かに悩んでいたことを。
涼太「待って。下まで送る」
お兄が横を通り過ぎようとする玲於の腕を掴む。
玲於は何も言わず、じっとお兄を見つめて
コク、と小さく頷いた。
二人が部屋から出ていき、ぽつんと一人になった。
A「……はぁぁ…」
緊張の糸が切れたように長い溜め息を吐く。
お兄が昨日のことを何も無かったことにするなら、それでもいいと思ってた。
でも、違うんだ。
やっぱり聞きたい。お兄の口から。
玲於も言ってたように、一度お兄と話し合うべきなんだと思う。
どうして、ああいうことを言ったのか。
別に理由なんて無いなら、それでいいの。
いや、本当は…
本当は、私のこの感情に答えが欲しいだけ。
お兄のことを考えると胸いっぱいになって、
思い出すと苦しくなって。
会いたくないと思っていた反面、何処かで会えて嬉しいと思ってしまう自分がいる。
まるで自分の心臓じゃないみたい。
私は胸に手を当てながらそっと自分の鼓動を感じてみた。
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りんごあめ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2018年8月21日 3時) (
レス) id: 48f85d8274 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - これ好きです！ (2018年6月20日 17時) (レス) id: 8b89ed48aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年4月15日 2時
