37 玲於とお兄 ページ37
意外にも、玲於との会話は途切れなくて。
てっきり静かな方だと勝手に思っていたけど、むしろ玲於はとてもフレンドリーだった。
特に、ダンスのことに関しては、
人一倍目を輝かせて嬉しそうに話す。
よく野球馬鹿とかバスケ馬鹿なんて言うけど、いい意味で彼は、紛れもないダンス馬鹿だと思う。
玲於と話している時間は、昨日の出来事を少しだけ忘れられた。
玲於「何か、下の方から音しねえ？」
A「え？」
確かに、
言われてみれば下からバタバタ足音がする。
両親はどちらも共働きで帰ってくるのは遅いし、だとしたら考えられるのは一人しかいない。
A「………嘘、お兄……？」
玲於「は？まじ？」
玲於は驚いて目を丸くしている。
どうして。
今の時間だったら昼休みか、5限目が始まっているはずなのに。
足音が段々と近付いて、階段を登る音に変わる。
バタン、と音を立てて部屋の扉が開いた。
そこに立っていたのは、
A「………………お兄」
息を弾ませたお兄が、私と玲於を交互に見る。
玲於「涼太君、こんちは」
意外にも玲於は平然としていた。
A「お兄……どうして？」
涼太「………Aが、倒れて早退したって聞いたから」
隼君がお兄に報告してくれたのかな。
それ聞いて、わざわざ来てくれたの？
涼太「もう、大丈夫なの？怪我は？」
A「……うん、大丈夫。怪我もしてないよ」
どうしよう。
どうしよう。
昨日の出来事がフラッシュバックしてきて、
胸がどくんと跳ねた。
お兄の顔、見れないよ。
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りんごあめ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2018年8月21日 3時) (
レス) id: 48f85d8274 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - これ好きです！ (2018年6月20日 17時) (レス) id: 8b89ed48aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年4月15日 2時
