28 (玲於side) ページ28
涼太君がアイツにこんな顔、させてるのかな。
涼太君と、何かあったのかな。
そんな、らしくもないことばっかり考えては、頭をぶんぶんと横に振った。
そういえばアイツ、朝から何処かおかしかった。
授業中は、後ろの席から何度もため息が聞こえたり。
なんか、全体的にぼーっとしていたような気がする。
どうして、その時に気付いてやれなかったんだろう。
そしたら、こんな顔させなくて済んだのかな。
なんて、柄にもないことを考えて、自嘲気味に笑った。
隼「玲於？おーい玲於？」
玲於「……っ！あ、何？」
隼「いや、なんかぼーっとしてたからさ」
玲於「……別に、考え事してた」
「ふーん」と言って、訝しげに見てくる隼を無視して、自分の荷物とアイツの荷物をまとめて教室を出た。
玲於「あ、隼！担任に言っといて」
隼「分かった〜！じゃあね玲於！気をつけて！」
玲於「おー」
アイツの鞄重っ。何入ってんだよ。
女子ってみんな、こんなに鞄重いのか？
保健室の前に着き、扉を開けようとした瞬間、やけにはしゃいだ声が中から聞こえてきた。
先生「もしかして、佐野君と付き合ってたり？」
はあ、聞こえてんだよセンセー……。
ほんと女って、恋バナとか好きだよな。
A「違います！！！」
食い気味に否定するアイツのでかい声に、何故か少しだけ胸がもやもやする感覚に襲われた。
バッ、と扉を開けると、アイツの真っ赤に染まっていた顔が一気に青くなっていくのが見て分かった。
なんか可哀想だから、聞かなかったことにしてやるけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんごあめ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2018年8月21日 3時) (
レス) id: 48f85d8274 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - これ好きです！ (2018年6月20日 17時) (レス) id: 8b89ed48aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年4月15日 2時
