27 (玲於side) ページ27
そういえばアイツ、ベッドで寝ているとき、
泣いてたっけ………。
苦しそうに、悲しそうに、顔を歪ませながら。
保健室にアイツを運んでから、ベッドに
寝かせた後、すぐに隼が駆け付けてきて。
隼「A！大丈夫〜？！」
玲於「声でけぇよ。まだ寝てんだから」
隼「あっ、ごめん……あれ、先生は？」
玲於「職員室いると思う。ちょっと呼んできて」
隼「オッケー、行ってくる」
そう言って、隼はまた踵を返して職員室へ向かって行った。
はあ、と一つため息を吐いて振り返れば、
真っ白なベッドの上には、スヤスヤと寝息を立てるアイツの姿。
先程のような苦しそうな呼吸もなく、規則正しい寝息に変わっていて、ほっと胸を撫で下ろした。
目元にかかっている前髪を手で横に分けてやると、くすぐったそうにふにゃりと笑う。
玲於「ったく、能天気なヤツ……」
そう言いつつも、自分の口角も緩んでいるのを感じた。
A「……んん、……にぃ………」
アイツの口がもごもごと動いて、突然険しい顔つきに変わる。
A「……にぃ………お、にぃ………」
玲於「〜っ………！」
苦しそうに、涙を流しながら、アイツは
涼太君の名前を呼んだ。
どうして、そんな苦しそうな顔するんだよ。
女の涙なんか、大嫌いだった。
だけど、どうしてか、この涙だけは
……美しいとさえ、思ってしまった。
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りんごあめ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2018年8月21日 3時) (
レス) id: 48f85d8274 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - これ好きです！ (2018年6月20日 17時) (レス) id: 8b89ed48aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年4月15日 2時
