21 保健室にて ページ21
それにしても、体調は相変わらず良くならなくて。
むしろさっきよりも悪くなったかも。
頭はガンガン痛むし、ぼんやりとした感覚はさっきより強くなってる。
何しろ身体が重くて動かない。
もはやコート内で飛び交うボールを
目で追うだけでも精一杯だ。
ああ、あと何分で終わるかな。
早く帰ってふかふかのベッドで寝たいなあ。
玲於「ちょっ、おい！！」
気付けば、視界が真っ暗になっていて、
何故か身体が地面に叩きつけられる感覚と、
佐野君の今までに聞いたことないような大きい声が耳に反芻した。
そのまま私の意識は糸が切れたようにぷつんと途切れた。
A「…………っん……」
目覚めると、見慣れない白い天井。
淡いLED電球の灯りが眩しくて、思わず目を擦った。
「………起きたか」
A「えっ……？」
聞こえてくる声に驚いて、ビクッと肩を震わせた。
A「…佐野、君。なんでここに……？」
玲於「バカ。なんでじゃねーよ、授業中にぶっ倒れといて」
A「え、倒れた……？」
起き上がって周囲を確認してみると、
私のいるベッドの横で椅子に腕を組みながら
座っている佐野君と、白いカーテンで仕切られているこの空間に、ここは保健室だと気付く。
玲於「体調は？」
そう言って、私の顔を覗き込む佐野君。
聞き方はぶっきらぼうだけど、
どこか優しさを感じた。
A「あ、今はもう、大丈夫だけど……」
玲於「そう」
私、いつ倒れたんだろ。
もう全然記憶にないや。
待って。
倒れたってことは、誰かがここに運んできてくれたってことだよね。
どうしよう、恥ずかしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんごあめ(プロフ) - かたつむりさん» ありがとうございます！本当に嬉しいです！これからも宜しくお願いします！ (2018年8月21日 3時) (
レス) id: 48f85d8274 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり - これ好きです！ (2018年6月20日 17時) (レス) id: 8b89ed48aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年4月15日 2時
