【I7】恋音色【旧Re:vale】 (ページ5)

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万理と千斗が、バンド活動を始めた。

いつかはやるんじゃないかと思ってたけど、いざその活動が始まるとやっぱり嬉しかった。

小さな一室でだけ流れてた音楽が、その何倍も大きなライブハウスに初めて響いた感動といったらもう…

2人のイメージカラーの青と白をなんとなく意識してコーデを組んだりして、大勢の客のなかでたったひとり。
私だけがこのふたりのファンだった。

それが回数を重ねる度に会場の客のほとんどが2人のファンで埋め尽くされるようになって…

そんな光景を思い出して、少し泣いてしまったり。

私はライブの手伝いをしながら、2人のファンとして応援も精一杯した。

2人の名前を大きな声で叫んでいた。

( ああ、こんなにも眩しい )

いつかこのふたりがもっともっと有名になって、今の様に三人でいられなくなる日が来たとしても。
…置いていかれたとしても。

それでも構わない。

万理と千斗の歌を、心の底から愛している。

ふたりの目指す夢の先に、私もついていくから。

…だから、幼い頃からの想いにも蓋をする。
ちゃんとしまっておかないと。

十年も我慢できたんだから、きっとどうにでもなる。

( 今はまだ…この夢の続きを見ていたい )

この奇跡の様な音楽に浸っていたい。
…なんて、都合が良すぎるかな。

万理、千斗。

『世界一、輝いてるよ。』

ステージの上で笑い合うふたりに、ぽつりと溢した。

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