【I7】恋音色【旧Re:vale】 (ページ4)

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貴女 . side

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それから万理と私に、千斗が加わるようになった。

嫌な感じとかは全くなくて、ふたりが生み出す音楽を特等席で聴けるこの場所が居心地良かった。

「A、曲考えてきた。」

『え、この前も新しいの持ってきてたのに?』

「うん。」

" 聞いてみて " 。

顔を覗き込んで、眉を下げてそう言われてしまえば頷くしかない。

いや、元より頷く以外の選択肢なんてないんだけれど。

私は、千斗のおねだりに弱かった。

「千の言うこと全部聞かなくたっていいんだからな?」

『千斗が可愛くて、つい。』

「全く…Aは千に甘いなぁ」

『……万理には言われたくないけど…』

万理だって千斗のこと甘やかしてるくせに。

万理が飴と鞭が上手いのは私もよく知ってる。

千斗は不器用だって万理は言っていたけど…甘え上手だと思う。

甘え上手というか、母性をくすぐられるというか…

少し動いただけでも、生まれたての雛鳥が親鳥を追いかけるみたいに後ろをついてくるのが可愛い。

息をするように顔を覗き込んで上目に強請ってくるのも、整った顔面力も相まってとんでもない破壊力だ。

( 多分これは私がこれに弱いのをわかってやってる… )

パーソナルスペースが狭いのか、正にひっつき虫の如くくっついてくる。

仲良くなれば誰に対してもそうなのかと思ってたけど、万理曰くここまでは見たことがないらしい。
それは懐かれてるということでいいんだろうか。

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