【東リベ】女王VI【男主】

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九井 side .













「……やめろ…」










俺はイヌピーの身体に、膝を打ち込んだ。










「……俺は、金の為に生きてきたんだ。」













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" 赤音 " 。

イヌピーの五歳上のお姉さん。
俺も尊敬してる、大好きな人だった。

本当の姉のように、慕っていた。









あの人を、守れる自分になりたかった。

俺はあの人に優しさも、愛も与えられて、そして守られてきたから。










いつか大人になったら＿＿＿恩を返したい、って。










そう約束した次の日だ。

イヌピーの家が火事になったのは。










必死の思いで中に飛び込んで、" 赤音 " さんだと思って助けたのは＿＿イヌピー、だった。

赤音さんを、助けることはできなかった。










それでも一命は取り留めて、けれど酷すぎる火傷が全身を覆っていた。

＿＿＿治療費4000万。
到底、一般人が出すこともできない高額な金。












…俺は、約束したんだ。

" 守る " って。" 助ける " って。











重度の火傷を負った赤音さん。

どうやったら4000万という大金を稼げるのか…俺は必死に考えた。


考えても、考えても＿＿未成年の俺が大金を手に入れるには犯罪に手を染めるしかなかった。

それから、稼げる犯罪を調べまくった。









最初は悪ガキを数人集めて、窃盗や恐喝。

1ヶ月も経てばそこそこの窃盗団が出来上がった。


それでも所詮はガキの窃盗団。

どんなにかき集めても数十万。
4000万には程遠い額だった。


数十万を軍資金にしてカードを偽造し、金持ちと繋がる為にクラブのVIPに通った。

金持ち相手の犯罪代行サービス。


捕まっても罪の軽い未成年にはうってつけの商売だ。










俺は金脈にたどり着いた。












金。

金。

＿＿金。










必死だった。











そんな中着た、イヌピーからの連絡。

赤音さんが、死んだという報告だった。
















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