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俺は…馬鹿だ。
どうして、気づかなかった?
あれだけ未来を見てきて、エマがいない現代に…!
ドラケンを救っても、
一虎を救っても、
圭介を救っても、
稀咲を東卍から追い出しても、
大寿を救っても、
…結局、何も変わらなかったのは___これだ。
『…エマ、目を覚まして…
お願いだ、エマ…過去で、こっちで死んだら救えない…ッ!』
『ッエマ!!!!!』
「…エマ?」
『…ごめん、マイキー…俺…』
「何が、あった?」
『バイクが突っ込んできて、エマが撥ねられた…』
「……は…?」
『稀咲、に…』
「Aっち、乗せて…!」
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マイキーはエマを背負い、歩いた。
イヌピーには、東卍の集会の方へと向かって貰った。
…静か、だ。嫌な程に。
「安心しろ、エマ。もうすぐ病院だから。」
応急処置はした。…でも、
…エマ…
「………マイキー…?」
『!エマ…!?』
「…あれ?体が…動かない…
……そっか…ウチ、バイクに…」
「覚えてるか?エマ。
お前が五歳の頃、俺のこと追っかけてジャングルジムから落ちて、足 折ってさ…
あの時以来だな。お前をおんぶするの。」
「……ねえ?」
「ん?」
「ウチにもしもの事があったら、」
「バーカ、もしもの事なんてねぇよ」
「…ドラケンに、伝えて。
ケンちゃんも…マイキーも、だよ。
……ちゃんと、言える時に気持ち伝えなきゃだめだよ、って。
___大好き、って。」
「…自分で伝えろ。」
「……」
「…Aっち…」
『…!エマ…』
「ケン、ちゃんと…マイ…キーを……おねがい…ね…?」
エマが溢した涙に、息が止まる。
やがて、その腕はだらりと垂れ下がった。
「エマ…エマ…!?
大丈夫だから、病院着いたらケンチンも呼ぶからな。
な?エマ…!!」
「………」
「………Aっち、…俺の上着…エマにかけてやってくれ。」
『…え?』
「エマが、…なんか…冷てぇんだ……」
『…マイキー…ッ』
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ハク - イザナはいったいどうなるんだ…展開にハラハラしてますッッ!イザナ生きてッ (2023年4月3日 1時) (レス) id: 1bed53529a (このIDを非表示/違反報告)
イザナ「情緒不安定」(プロフ) - 千冬ちゃんがとってもかっこいいんだか (2023年4月3日 0時) (レス) @page47 id: 398e436feb (このIDを非表示/違反報告)
イザナ「情緒不安定」(プロフ) - 嘘!?希咲だったの!?この次の展開がもの凄く気になりますね! (2023年4月3日 0時) (レス) @page46 id: 398e436feb (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - ソウヤ強い!漫画のこのシーン好きです! (2023年4月2日 21時) (レス) @page42 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
中也 - 末っ子同盟可愛い!! (2023年4月2日 19時) (レス) @page40 id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真 | 作成日時:2023年3月26日 21時