【東リベ】女王VI【男主】

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それから俺は、進んで両親の " 礼拝 " とやらについていくようになった。

屋敷の中には入らず、裏庭でふたりきりのあの時間を味わうために。












『 今日も来てくれたんだ 』

『 " 名無し " くん
今日は俺にどんな話を聞かせてくれるんだ? 』













俺は変わらず、この人に顔も名前も明かさなかった。

人と関わるのが不得意だった俺には、この距離感が心地良かった。













大人達に " 天使 " と呼ばれ、敬われ、心酔されているこの人が自分を特別に扱ってくれるこの時間が好きだった。

いつしか、俺は＿＿＿この人を好きになった。













初めて会った頃に比べれば、涙を流すことも減った。

けれど、…この人の闇が消えることはなかった。












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人々の無責任な願いを、その小さな背中に背負わされていた。

それは日に日に増し、この人の心は押し潰されかけている。















『 ………俺は、てんしさまじゃ、ない 』

『 ……俺のこと、みてよ…ッ 』











『 でも、あの人たちが求めているのは、天使様で 』

『 あの人たちは、奇跡を叶える俺を望んでて 』













『 ……じゃあ、" 俺 " は…なんのために生まれてきたの… 』














このままじゃ、ダメだ。

俺が、救わないと。












俺が、この人を守らないと。












「 もう、泣くなよ 」

「 俺は心の底から愛してる 」













「 ……大丈夫だ、約束する 」












「 俺が必ず、お前の為の国を創る 」

「 お前を至上の存在として扱う国を 」










「 ……もう二度と、誰にもお前を傷つけさせない 」













お前の居場所を、俺が創り出す。











その為に、俺は生きるから。

なあ、A。













…どうか、笑ってくれ。













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