【東リベ】女王【男主】

49 ページ49

.









俺の目の前に迫ってきた一派のひとり、赤石が殴られて横に吹っ飛ぶ。

驚いて、その拳の主を見た。









「なーに弱気になってんだよ!俺らのヒーロー!!」


『アッ、くん…タクヤ、マコト、一司…ッ!』


「溝中五人衆、参上!!」


『ど、して…』


「橘が連絡くれたんだ。」


「俺たちに任せろ!!」


「俺らだって、やるときゃやるんだよ!!鶴のように舞い!」


「ア…アブのように刺す!!」









こんな、心強い味方が他にいるかよ。

4人が残党に立ち向かっていく。
ボコられても、それでも食らいつき続けた。

俺はその光景に、涙が出て。









「例え、無駄でもよ…
引けねえ時が、あるんだよ!!!!」

「なあ、A!!」










俺1人じゃ、決して守りきれなかった。











そしてやがて、救急車の音が響く。

赤石達は逃げ去っていった。


俺たちの＿＿＿勝ちだ。









俺とドラケンは、4人と、救急車を案内してくれたエマと日向に手伝ってもらいながら、同じ救急車に乗り込んだ。









救急車に運ばれる中、俺はドラケンの手を握っていた。









「お嬢…ありがと、な…。お前は…俺の命の恩人だ……。」


『…やめろ、そんな台詞。
ちゃんと生き抜いてから、また聞いてやる。』


「マイキーを…頼む……」


『ッ…堅?』


「!!心肺停止…!! 下がって!!気道確保。胸骨圧迫!!1、2、3、4、5、6…戻りません、もう一度!1、2、3、4、5…」


『堅…生きてくれ、頼む…ッ…堅…!』










.









心肺停止の状態のまま、ドラケンは手術室に入って行った。

その後、合流してきた溝中メンバーと日向とエマ。
そして抗戦を終えた三ツ谷、ぺー、…マイキーの姿が見えた。









「ケンチンはさ…昔から、言ったことは絶対に守る奴なんだ。
こんなとこでくたばんねえよ。
そんな不義理、ぜってえしねえ。」

「アイツ、俺と天下獲るって約束したかんな。」









「だから皆、ケンチンを信じろ。＿＿＿大丈夫だ。」










.









暫くして手術中の赤いライトは消灯し、医者が出てくる。









「＿＿＿一命は、取り留めました。手術は成功です。
早めの応急処置が功を奏したようです。
なにかが一つでも足りなければ、助からなかった。」










小さく笑う医者の先生の顔に、その言葉に。
俺は涙が頬に流れるのを感じていた。

…助かった。
…救け、られたんだ。









『っあ、ぁ"…!!』










.

次回予告→←48

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す