【東リベ】女王【男主】

5 ページ5

.












.











「Aくん、今日はありがとう。」


『別に…俺が好きでしてることだから。
結局帰るの夜になっちゃったし。』


「ううん、ヒナ嬉しかったの。
Aくんがもう少し一緒にいたい、って言ってくれて。」


『…ありがとう、日向。お母さんによろしく伝えといて。』


「うん。バイバイっ、また明日!」












良い夢だな、本当に。












『…ああ、また学校で。』










なのに、

…何で、俺は泣いてるんだろう。















.










.












特にすることもなく、公園まで来てしまった。

なにやら騒々しい。










…何?人が感傷に浸ってるのに。












「まだポケットに入ってんじゃねーかよ!!」


「全部出せやｺﾗｧ!!」


「はよしろやｧ!!!!」













『うるさい』










「…は?」









『ゴチャゴチャ言ってんなよ…俺は今苛ついてんの。
さっさと消えろ。…それとも、消されたい?』











我ながら冷え切った声を出してしまった。

…まあ、いいか。










絡んでいた男達は大声をあげて逃げ去ってしまった。

…情けない奴ら。













『…お前、こんな時間に彷徨いてたら危ないよ。
早く帰った方がいい。』


「ぁ、ありがとうございます…!」


『…あれ、直人?』











どこかで見たことのある顔立ちに、思い当たる名前を問いかけた。

すると、大きく頷いて此方を見上げてくれる。











「は…はい!!覚えててくれたんですか!」


『ああ。』











橘 直人…日向の弟だ。

此奴も12年後に、日向と死んでしまう。












『……少し、話そうか。』











.

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す