26 ページ26
.
「死柄木弔。とーむーら。」
『トムラ!』
「はい、もう一回言ってみろ。」
『リッツ!!』
「誰だよ」
死柄木は呆れたように溜息を吐いた。
「チッ、何なんだその '' リッツ '' とかいう奴は」
『リッツは、俺の騎士のひとりだった奴!
お前と同じ、紅玉みたいな真っ赤な目をしてた。
血みたいな、妖しくて、でも何処か優しい色の瞳。』
「…なんだそれ。」
'' 俺の目が、優しい色だって? ''
ブツブツと呟きながら、彼はAの柔らかい頬をびよーっと引き伸ばした。
当の本人は満面の笑顔だ。
『おにーさん』
「意地でも名前覚えねェな。」
頬から手を離したかと思えば、次は頭にぐりぐりと指を押し付けてきた。
『んん、つっても俺はさ…おにーさんのことまだ何も知らない。
聞かせてくれよ。今まで見てきた世界のこと、お前のことを!!』
「…面白いことなんかねぇよ。」
『わはははは☆
安心しろっ!大丈夫、お前の全部を見せてくれ!!』
出会ってまだ一時間にも満たないというのに、どこに一体安心出来る要素があるのやら。
それでも、Aの手を取ってしまいたくなるのだから不思議だ。
カリスマ性、という奴だろうか。
人を惹きつける力が強い。
'' 訴求力 '' 。そうだ、無際限に人を引き摺り込む力。
まるでブラックホールのように。
「お前、また此処に来い。」
『え、』
「今日は時間切れだ。
けど、また此処に来てやる。…話をしよう、A。
お前が俺の名前を覚えるまで。」
『…うん、おにーさん。』
＿＿＿＿「A…?」
『!!ショータ!!』
「…じゃあな。」
突然広がった黒いモヤは、死柄木が足を踏み入れた途端に消えてしまった。
『……。』
「A、お前こんな奥まで来てたのか。…A?」
『…なんでもないっ!ショータ、此処にまた来てもいいか??
此処は静かで、霊感が高まる…☆』
「それは別に構わないが、夜遅くならないようにしろよ。
後、必ずヒーローがこの公園周辺を巡回してる時間にすること。
この辺のパトロール時間は調べておいてやるから…」
『うん、わかった!』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆずぽんず(プロフ) - とても素敵なお話です…まだ途中までしか読んでないんですけど続きが気になります！1つ気になったんですけどホークスの福岡弁は意識されとると思うんですけどところどころ違うところがあって……『照れてる』→『照れとる』、『だから』→『やから』やと思います… (2022年7月29日 5時) (
レス) id: 6d7748e101 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 夢主くんはこれからどうなるのでしょう！？これからも楽しみにしてます！ (2021年11月8日 17時) (レス) @page42 id: 03a4457c27 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！応援しています！ (2021年5月4日 23時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
marshmallow - 素晴らしく面白い作品でした！これからも更新頑張ってください！ (2021年5月2日 0時) (レス) id: bf7086b5e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミの毛玉(プロフ) - 神小説ktkr。これからも、無理なさらない程度で、更新頑張って下さい！ (2020年5月26日 20時) (レス) id: 9b2a72a438 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋真
| 作成日時：2020年5月4日 22時
