肆拾陸 ページ46
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「…そうか、伊黒から聞いてはいたが…まさか本当にたったひとりの隊士の為にこの長期間屋敷を離れていたというのか…?」
『そう。僕の担当する区域にある山で暮らしている…元水柱であり、義勇の師である鱗滝の下で修行を積ませた。
その様子を、長い間見守っていたんだ。』
「…まさかそこまで目をかけていたとは!
よもやよもや、その少年が羨ましい限りだ!!」
不意に、空から一羽の鎹烏が現れる。
「む…この鎹烏、お館様の直近の烏だな」
『…そうみたいだ。今氷雨は遠方に出向いているから、代わりにお前が来てくれたんだね。
…任務、かな?』
【 那田蜘蛛山ヘ迎エ、聖柱・神威A!! 】
【 送リ込ンダ十数人ノ隊士達ト連絡ガ着カナイ!! 】
【 至急那田蜘蛛山ヘ直行セヨ!!! 】
『…那田蜘蛛山。』
「うむ、柱達の担当する区域から微妙に外れたところにある山だな!」
『…成る程。だからこそ鬼がその山に纏めて留まっている可能性もあるわけか。
しかし其処に送り込まれた隊士全員が消息を絶ったとなると…』
「A殿、十分に気をつけて欲しい。
何やら…妙な予感がする。」
『ああ…ありがとう、杏寿郎。では、行ってくる。』
鎹烏が再び空へと飛び立ったのを見れば、Aの姿も空気を薙ぐ音と共に消えた。
煉獄は何やら胸騒ぎがしていた。
此度の任務は、通常のものとは訳が違う。
…そんな、予感が。
「……御武運を。」
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そこら辺の水道水(プロフ) - ちょっと待って、夢主くんに惚れたんだけど(真顔) (2020年11月15日 4時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - 累との展開楽しみすぎます…!これからも無理なさらず更新頑張ってください! (2020年11月10日 23時) (レス) id: 6aacc8954b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - いよいよ、あの話がくるのですね!!これからの展開が楽しみです!応援してます!! (2020年11月4日 18時) (レス) id: 03a4457c27 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro - この作品めちゃくちゃ好きです...!これからも頑張ってください!ずっと応援しています! (2020年10月26日 19時) (レス) id: 94aeb4ce2e (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 続きがきになります。更新がんばってください (2020年10月23日 9時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真 | 作成日時:2020年1月27日 15時