肆拾弐 ページ42
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「禰豆子!」
「朝を迎える前に、光が届かないこの地下に移動しました。」
ぎゅ、と炭治郎に抱きついていた禰豆子はくるりと振り向いて駆け足気味に珠世の元へと駆け寄り、抱きしめる。
「貴様ぁ!!!珠世様から離れろ、失礼だぞ!!」
「やめなさい、愈史郎。いいんですよ。」
「はい!!」
( お優しい珠世様…美しすぎるぞ! )
禰豆子は愈史郎の頭に優しげな手つきで触れ、そのまま撫でる。
ピキ、と愈史郎の額に青筋が立った。
「や…めろ…!!!」
「先程から禰豆子さんがこのような状態なのですが…大丈夫でしょうか?」
「心配いりません、大丈夫です。
多分…二人の事を家族の誰かだと思ってるんだと思います。」
「?家族…しかし、禰豆子さんのかかっている暗示は人間が家族に見えるものでは…?
私たちは、鬼ですが…」
「でも、禰豆子はお二人を人間だと判断しています。
だから守ろうとした。」
「…!」
ーお前は…凄い '' 人 '' だよ、珠世ー
「俺…禰豆子に暗示かかってるの嫌だったけど本人の意思がちゃんとあるみたいでよかっ…」
珠世の瞳からは、静かに涙が零れ落ちた。
「!!?すっ…すみません!!
禰豆子、禰豆子!はなっ、離れるんだ、失礼だから!!」
「ありがとう…禰豆子さん、ありがとう…」
「…」
ー生きたいと思いますか?ー
ー本当に、人でなくなっても生きたいと…ー
ーこのまま…貴方は病で命を落とすでしょうー
ーですが、人でなくなることは…辛く、悲しいー
ーそれでも、貴方は生きたいと?ー
ー愈史郎、珠世の事を宜しく頼むよー
ー彼女は…時に、無茶なことをするからー
ー…またね、愈史郎ー
「……」
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そこら辺の水道水(プロフ) - ちょっと待って、夢主くんに惚れたんだけど(真顔) (2020年11月15日 4時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - 累との展開楽しみすぎます…!これからも無理なさらず更新頑張ってください! (2020年11月10日 23時) (レス) id: 6aacc8954b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - いよいよ、あの話がくるのですね!!これからの展開が楽しみです!応援してます!! (2020年11月4日 18時) (レス) id: 03a4457c27 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro - この作品めちゃくちゃ好きです...!これからも頑張ってください!ずっと応援しています! (2020年10月26日 19時) (レス) id: 94aeb4ce2e (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 続きがきになります。更新がんばってください (2020年10月23日 9時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真 | 作成日時:2020年1月27日 15時