弐拾 ページ20
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『…僕にもね、下に兄弟がいたんだよ。』
「え…Aさんも長男なんですか?」
『うん…弟。僕のこの時代の宝物だ。
僕の家は、それなりの商家でね。
父さんも母さんも優しかった。弟は…病弱で、あまり外を出歩けない身体だったけれど。』
とある日の夜。
星空を共に見上げながら、炭治郎とAはお互いの兄弟の話。家族の話を口にしていた。
『…とても、幸せだった。
優しい両親、寂しがり屋で…甘えたがりの可愛い弟。
でも弟は、…その病弱な身体を両親が嘆いていたのに気づいていたんだね。
…あの子は、自らの意志で鬼になった。』
「ッ、え…?」
『強靭な身体…健康な身体と引き換えに、あの子は日光の下で歩く事が出来なくなった。
…そして、人を食べなければいけなくなってしまった。』
「そんな、」
『…確かにあの子は元気になった。
前は少し歩いただけでも倒れてしまうくらいだったから…走り回ってるあの子の姿を見れたのは、本当に嬉しかったよ。
…けど、怖かった。
いずれあの子は自身の為に人間を喰らう。
…僕はね、その頃から鬼狩りとして動いていたんだけれど…殺せなかった。』
「Aさん…」
『僕が少し遠方での任務を熟している時に、…弟は両親を殺した。』
「!!」
『喰った訳じゃない。死体はちゃんと残ってたから。
けど…可愛いあの子の手は、血に染まってしまった。
…父と母。そして弟の間で何があったのか…察してしまったんだ、僕は。
その夜…恐らく弟は人を喰らった。
息子が人を殺してしまった責任を共に背負う為に、父は弟を殺そうとしたんだ。
…だから、弟がその前に2人を殺した。』
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そこら辺の水道水(プロフ) - ちょっと待って、夢主くんに惚れたんだけど(真顔) (2020年11月15日 4時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - 累との展開楽しみすぎます…!これからも無理なさらず更新頑張ってください! (2020年11月10日 23時) (レス) id: 6aacc8954b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - いよいよ、あの話がくるのですね!!これからの展開が楽しみです!応援してます!! (2020年11月4日 18時) (レス) id: 03a4457c27 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro - この作品めちゃくちゃ好きです...!これからも頑張ってください!ずっと応援しています! (2020年10月26日 19時) (レス) id: 94aeb4ce2e (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 続きがきになります。更新がんばってください (2020年10月23日 9時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真 | 作成日時:2020年1月27日 15時