拾参 ページ13
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「禰豆子ー、Aさーん」
『炭治郎、奥だ奥。』
「奥…?あっ、いた」
『おかえり、炭治郎。』
「はい、戻りました!でも…」
炭治郎は禰豆子へと視線を落とす。
(妹が、土竜みたいになってしまった)
(そしてすごく顔をしかめている…!!
よっぽど日に当たりたくないんだな…)
『鬼にとって日の光は天敵だからね…仕方ないよ。
それにしても、その穴が空いた籠は一体何に使うの?』
「あ、これは…昼間の間も先に進みたいので、竹で光が差し込む隙間を無くして…その上から布も被せて禰豆子を背負って行こうと思って。
ちょっと待っててくださいね!」
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『へえ…器用なものだね。』
短時間で作り上げられた竹の籠はとても丁寧な出来で、丈夫そうだ。
Aは感心したように声を漏らしていた。
「禰豆子。禰豆子、これに入れるか?
昼間も先に進みたいんだ。俺が背負っていくから。」
「……」
「入る。ここに。かーごー…」
『……はみ出るね。』
「ん…?禰豆子、お前大人の女の人くらい大きくなっただろ?
あれと逆に…小さくなれないか?
禰豆子、小さく〜…小さくなれ〜」
勢いよく籠の中へ入っていったかと思えば丁度籠の中に収まる身丈になっている。
偉い偉い、と兄に撫でられる禰豆子は嬉しそうだ。
『凄いね、禰豆子ちゃん。良い子だ。』
頰に優しく触れ、そのまま撫でてやれば、禰豆子は甘える様にその手に擦り付いて来た。
その仕草に、Aは何処か気恥ずかしげな様子。
「禰豆子、Aさんによく懐いてますね…!」
『ふふ、嬉しいね。
こう、甘えられると甘やかし甲斐があるよ。』
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そこら辺の水道水(プロフ) - ちょっと待って、夢主くんに惚れたんだけど(真顔) (2020年11月15日 4時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - 累との展開楽しみすぎます…!これからも無理なさらず更新頑張ってください! (2020年11月10日 23時) (レス) id: 6aacc8954b (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - いよいよ、あの話がくるのですね!!これからの展開が楽しみです!応援してます!! (2020年11月4日 18時) (レス) id: 03a4457c27 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro - この作品めちゃくちゃ好きです...!これからも頑張ってください!ずっと応援しています! (2020年10月26日 19時) (レス) id: 94aeb4ce2e (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 続きがきになります。更新がんばってください (2020年10月23日 9時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真 | 作成日時:2020年1月27日 15時