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『 悔しいね 』
「……」
『 それでも 、彼は僕に見向きもしてくれない 』
「……」
『 だって 、ずっとそうだった 。
報われなかったじゃないか 。
それでも僕等は彼を好きだった訳だけど 。』
優しげに微笑んでいた王子の横には、彼のサーヴァンプである '' 嫉妬 '' の真祖が寄り添う様に傍にいた。
静かに、けれど幸せそうに笑みを零す二人は確かに '' 幸福 '' だったはずなのに。
『 けど 、気づいているかい ? '' つばき '' 。』
「……何に?」
『 _______ あの方の気配が 、感じ取れる事にさ 。』
ピクッ、と身体を揺らしたかと思えば動きを止める。
そしてゆっくりと狐の方へ振り向いた椿は困惑と自嘲の色を宿した瞳で狐を写し、
「……王子が、生き返ったとでも?」
嘲る様に、嗤う様に問い返した。
『 わからない 。
けど 、君の一部でもある僕が彼の気配を間違えると本気で思っているのかい ? 』
「……」
「_______あの時、王子は死んだ。
人が生き返るなんて有り得ない。
ましてやもう何百年の時が経ってるのに…今頃彼の肉体は完全に骨になってるよ。
もしかしたらバラバラになってるかもしれない。
…人が蘇る事は絶対に無い。
僕達サーヴァンプは、彼に血を与えてなどいないのだから」
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年10月10日 14時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2020年5月9日 3時) (レス) id: cee1b25037 (このIDを非表示/違反報告)
狐(プロフ) - とても読んでよかったと思います!続きが見たいですね!毎日読み返していて見ると幸せです! (2018年6月21日 21時) (レス) id: e0085c1c29 (このIDを非表示/違反報告)
しふる - とっても面白くて、何回も読み返してしまいました!続き楽しみにしてます!! (2018年3月1日 23時) (レス) id: 6f3c0d3215 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋真姫 | 作成日時:2017年12月31日 17時