【SERVAMP】嫉妬の元主人

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「______お前の過去ってこんなのだったんだ」


「……」


「お前の他のサーヴァンプも、お前も…あの王子様を酷く慕ってるのは分かった。
王子様が死んだ後に他の6人がどれ程後悔していたのかもなんとなくは伝わってくる。

…けどお前は？
…お前は、王子様が死んだ後何を思ってた？

此処まで見せてわざわざ止めたって事は見せたくないやつなんだろうけどね。

…この王子様はお前の事凄く想ってたんだろ？」







美しい十字の墓。

それは先程脳内に流れたばかり、先程見たばかりの麗しい王子の儚げな雰囲気を彷彿とさせる。



御国は大きなリュックサックの中から一つの赤い宝石のペンダントを取り出し、墓の前に添えた。

この近辺にかつてあった王国の、''平和の王女''が付けていたとされるペンダント。



そんな言い伝えのあるペンダントはきっとあの王子に似合うだろう、と。









「………俺の……」


「…？」


「……俺の、あの人へ向けた感情は……、
……あまりにも、汚く、醜かった……」


「……ジェジェ？」


「………」









「………愛していた……」








風に掻き消えてしまいそうな程の声を、御国は聞き取っていたものの聞いていないフリをした。

…それはきっと、あの時伝えられなかった言葉。









______平和を愛するが故に滅びの道を選んだ王子。



______想いを隠し、ただ幸せを願い続けた吸血鬼。









お互いを想いながらも、決して想いが通じ合う事はなかった二人の…最後まで告げたくても告げられなかった言葉なのだろうから。









「………安らかに……」









____________お休み、'' 平和の王子 ''(七つの大罪の主) 。

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