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「父さん…!!逃げるんだ、早く!」
「私の事はいい…。
私はここで、エイリア石の最後を見届ける。
それが…お前達に対するせめてもの償いだ。」
「!!」
「何バカな事言ってんだ!!!」
ヒロトを押し退けて、円堂が前に出る。
「こんなところで死んでどうすんだよ!!
そんなことして、ヒロト達が喜ぶわけないだろ!?
まだわからないのか?!
皆には!あんたが必要なんだ!!!」
ヒロトは再び、吉良に手を差し出した。
「いこう、父さん。」
「……こんな、酷い事をした私を…ヒロト…お前は許してくれるというのか…?」
声を震わせて、ヒロトの肩に手を置く吉良。
ヒロトもまた、その瞳に涙を溜めて頷いたのだった。
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「これで、全員か!?」
「＿＿待て、Aは…?Aは何処にいる!?」
窮地に至った混乱の中で気づけなかった。
ウルビダの必死の声音に、キャラバンに乗り込んだメンバーは一斉に外を見た。
『……』
「A…何やってるんだ!!早く中に!!」
『……すまない。』
Aは何処か寂しげな笑顔を浮かべたまま、端末を操作した。
すると、古株が操作していないにも関わらずエンジン音は更に大きくなる。
『……知らなかったか?
イナズマキャラバンは理事長と私が用意したもの。
私の携帯端末でキャラバンを操作することも出来るんだ。』
『……大丈夫、必ず戻る。
私は…エイリア石をここで終わらせなければならない。
これ以上、こんな悲しい思いは誰にもさせない。』
「ッ何を、馬鹿なことを!!
A…私はお前に、何も返せてないのに…!」
「駄目だ…A!!」
Aは自身を引き留めようと必死に叫んでくれる仲間の姿に、家族の姿に、微笑った。
そして彼女は小指を立て、'' ゆびきりげんまん '' をする様に、小さな約束を打ち立てる様に、何処か強い決意を孕んだ瞳で皆を見つめた。
『……約束だ。
ありがとう、みんな。…少しの間、お別れだな。
また、雷門中で会おう。』
『さあ、行って。
…外まで、彼等を送り届けてくれ。
イナズマキャラバン、古株さん。』
イナズマキャラバンの強制発進のボタンをタップすれば、Aは彼等に背を向けて走り出した。
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あいひ - とてもいいお話だと思います(^^)これからも頑張って下さい！応援しています！ (2020年6月23日 10時) (
レス) id: 1f3cc1e722 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新とても嬉しく思っています。これからも追い続けます。 (2020年6月22日 2時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - イナイレの小説の中で1番好きです (2020年5月28日 16時) (レス) id: 87b01b0a04 (このIDを非表示/違反報告)
威吹鬼(プロフ) - とても素敵なお話です！イナイレの中で1番好きです!!忙しいと思いますが、これからも頑張ってください。応援しています。 (2020年4月25日 14時) (レス) id: 5195643059 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - でも、無理のないように頑張って下さい。応援しています。 (2020年1月6日 22時) (レス) id: 75587ea7d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋真姫
| 作成日時：2019年9月29日 14時
