8 ページ8
ーーーー沖田side
俺は江戸幕府が所有する城…二条城へと来ていた。
ー俺の言う通りにすれば、お前が見た事ない様な物凄い力を与えてやるよー
あの妖術使いの様な男に言われるまま、とりあえずここへ来たはいいが…ここで本当に''サッカー''をやると言うのだろうか。
それをあの徳川慶喜公が許可をしてくれるのか…？
ただでさえ俺たち新撰組は幕府側からも酷い待遇を受けていると言うのに、
「ーーーーーーーーこーーーーでーーね」
「うーーー幕ーーーザナーーーーーーけど」
いつもは気にならない、裏庭から聞こえて来た話し声。
普段は特に気に留めないはずのそれが、何故か今日は気になった。…とても、綺麗な声が聞こえたから。
…この声の持ち主はどんな人なんだろうか。
綺麗な方なんだろうか、愛らしい方なのか。
二条城の女中だろうか。
そんな風に色々と思考を巡らせながら裏庭へと足を踏み入れたその時、ーーーー衝撃を受けた。
裏庭にいたのは1組の男女。
二条城の裏には美しい菊が咲き誇っていた。
秋の少し冷たい風に乗って飛んでくるその花びらと共に、女性の長い淡い水色の髪も揺れている。
桜がほんのりと色づいた様な色の唇が小さな弧を描かせ、彼女は微笑んでいた。
「＿＿＿＿美しい…」
思わず、そんな言葉が漏れる。
女性がこちらを向き、優しげに微笑みかけてくれた。
「こんにちは、…その羽織は新撰組のお方ですか？」
「え、ええ…貴女方は…？」
「ふふ、申し遅れました。私は神楽坂Aと申します。
此方は私の従者をしているフェイです。」
「こんにちは！フェイ・ルーンと申します」
「こちらこそ挨拶が遅れて申し訳ない。
俺は…新撰組一番隊隊長を務めている、沖田総司と申します。どうぞよろしく…A姫様、フェイ殿」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋真姫
| 作成日時：2017年7月1日 1時
