OLはいい匂いがする/04 ページ16
***
side真緒
結局あれから凛月とは仲直りできないまま夢ノ祭当日、
学生たちは昼からの一般公開に向け黙々と準備を進めていた。
｢ 凛月のやつ、またあんな所で寝て...。｣
遠くを見れば草むらに寝転がる凛月の姿が見えた。
相変わらず行事に消極的な所は高校の時と変わらなくて大学に入ってからも人との関わりを避けてるような様子だった。
｢ 真緒くん、こっち手伝えるー？ ｣
｢ おう、今行く！......ん、あの人＿＿＿ ｣
友達の元へ行こうとするとスーツを着た女の人が目に入った。
ここでも俺は反応してしまい手から紙袋を下げたその人は困っているようだった。
｢ ごめん、ちょっと抜けるわ！すぐ戻ってくる！｣
一言そう告げ、俺はその人の元へ小走りで近づいていった。
――――――
｢ ＿＿＿＿すみません、何か困ったことでも...？もし夢ノ祭見に来たなら一般公開もうちょっとあとなんで待ってもらうことになりますけど。｣
『 えっ、あ、すみません。ちょっと探してる人がいて...。...人も多いしまた出直そうと思います。
ご親切にどうもありがとう。』
人探しってことは誰かの親？いや、それにしては若すぎるな。
まあでも校内放送とかで流せば＿＿
律儀に頭を下げて帰ろうとする女の人に再び声をかけた。
｢ ちなみに学部とか名前って分かりますか？俺の分かる範囲だったら手伝いますよ♪ ｣
｢ ええっと...学部は分からないんだけど、
＿＿＿凛月っていう人...。｣
｢ え、凛月？ ｣
『 はい...。さすがに分からないですよね...ごめんなさい、知ってる情報これしかなくて。』
凛月って...あの？
｢ いや...探してるのが俺の知りあいかは分かんないけどあの向こうの木の下で寝てるやつ、凛月って言うんですけど… ｣
｢ えっ＿＿＿＿ ｣
さすがにあいつと知り合いなわけ＿＿＿
｢ そうです！あの子！私の探してた人です。
わぁ、君ありがとう！
これあげるね、準備がんばって！ ｣
｢ え、あ、いや。
ありがとうございます？ ｣
ポケットから渡されたのはいちごみるくの飴だった。
俺が受け取ったのを確認すると、その人は凛月の方へと歩いていった。
｢ あんな知り合い、凛月にいたっけ... ｣
これでも20年程の付き合いになるけど狭い凛月の人間関係の中で1度も見たことのない人だった。
｢ってやべ、呼ばれてるんだった！ ｣
当然のように二人の関係が気にはなったものの友達の用事を思い出し俺は急いで準備へと戻った。
***
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Rikka(プロフ) - めっちゃ泣きました！！ 凛月が失恋したとしても頑張ろうとするとことか、もうホント成長したなぁ…ってずっと泣いてました。ホントに神作ありがとうございます。これからも頑張ってください！！ (2020年2月13日 23時) (
レス) id: 08b289ca9c (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - 松並ゆのさん» コメントありがとうございます！年の差がコンセプトだったのですが初々しさも残したかったのでどう表現しようか悩みました...(笑)それが少しでも伝わってくれたのなら幸いです...！読んでくださりありがとうございました...♪ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - チョコトーストさん» コメントありがとうございます！分かります...私も最近歳のせいで涙脆くて...。四捨五入したら30代に突入してしまう夢主が聞いてたら睨まれそうです...。(汗)最後までお付き合いくださりありがとうございました...♪ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - 蟄乃さん» コメントありがとうございます！読んでいただけるだけでも嬉しいのですがその上評価まで...本当にありがとうございました...♪書いてる本人ながら凛月くんに愛されるなんてうらやましい限りですよね...！(変態2) (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - ルナさん» 何度もコメントありがとうございました！楽しんでいただけたのなら幸いです...。兄弟ネタは次に出す新作の息抜き程度にと考えていますのでゆったり更新だとは思いますがよろしければお付き合いください...♪ありがとうございました！ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シユ* | 作成日時：2017年10月15日 16時
