アマリリスが咲くまで

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何歳から韓国にいたのか、

何がきっかけだったのか、

どうしてアイドルになりたいと思ったのか



二人は色んな話をしてくれた




全員同じような経験をして来ているからこそ

共感出来る部分がたくさんあって

彼らがその時どんな気持ちでいたのか
想像するのはそう難しいことではなかった








「ずっと気になってたんだけど、

Aはさ、韓国で一度デビューして

でもそのグループで活動出来なくなった
理由ってさ、聞いてもいいのかな…？」







二人がひと通り話をしてくれた後、

たじに言われたこの言葉で


当時公には話せなかったことも、
この二人になら話したい、聞いて欲しい

何よりたじも蓮汰も今までのことを
話してくれたんだから、そんな気持ちで



この数年の話をゆっくりと思い出していった








初めて韓国に行ったのは高校生の時


日本で見ていた韓国のアイドルに憧れて、
こんな風になりたい！とただ漠然と抱いた夢

突然韓国に行きたいと言い出した俺に

まだ学生だし、一人で外国になんてと

その時両親は猛反対していて

でも向こうの学校でも勉強頑張るからと
必死に説得をしたらなんとか許してくれた








『ただ、その時に言われたのが

こっちで言う大学卒業の歳？
22歳までに結果が出なかったら

潔く諦めて日本に帰って来て、
それから大学に通って就職して欲しいって』


「22歳…」


『そう、高校生からだから約5年くらいかな。

今思うと、最初は反対してたけど
夢を追うには十分な時間を与えてくれたと思う』








そこから日本で通っていた高校を辞めて

一人で韓国に渡って、向こうの高校に
通いながらオーディション受けたりしてて、


そしたら運良く練習生になれて、そこからは
毎日必死にレッスンを受け続ける日々だった








小さな会社だったけど、
代表はすごく優しくてお父さんみたいで

一緒に夢を追いかける仲間もいて
毎日本当に充実してたと思う



でも気付いたら高校も卒業して、
あっという間に20歳も超えてて

もうそろそろ時間が無いって焦ってた時、

デビュー出来ることになった




代表にその話を聞いた時のことも、

仲間と泣いて喜んだ時のことも、


いつの間にか応援してくれるようになっていた
両親に電話で報告したら物凄く喜んでくれた事も、


初めてデビューアルバムの
タイトル曲を聴いた時のことも、






全部、今でも鮮明に覚えてる







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