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ななじゅうなな ページ28

相手の振り上げた鉄の棒をパイプで受け止めた。

手がビリビリする。


「せいっ!」


脇腹あたりを狙って蹴りを入れたが躱される。

その勢いのまま地面に足をつけると前傾姿勢になったので、思いっきり踏み込んで距離を詰める。

パイプを振り被り、相手の首筋辺りへ。

皮膚と筋肉にぶつかる感触はあったものの、それは相手の腕。

止められた代償に相手は一瞬の神経の麻痺で拳銃を落とした。

その音が鳴ると共に左足を大きく踏み込む。

左手につけたハンドナイフで顔面を狙えば当然避けられた。


「なぁに。守るばかりでは勝てないよ?」


そこに転がった拳銃を少し離れたところへ蹴る。


「守りだけで勝てると思っていたけど、それはどうやら甘すぎたみたいだね。やはり君は、僕にとって1番の恐怖だよ。」

「馬鹿にしてんの?」

「してないさ。…同じ生まれ方をしたのは君だけ。僕が唯一恐るのは君だよ。」

「よく言う。…ま、完璧な貴方からしたら、私なんてそこらの石にも満たないって事か。」


そこに落ちていたコンクリートか何かの破片をケイトの方へ蹴る。

ちょうど足元で止まったそれを見つめながら言った。


「俺もそこらの石になれればどれだけ楽だったか。」


「…どういう事?」


「…お前に話す価値もないだろ。」


その顔は憎しみで染まっていた。

そして感情のままにこちらへ殴りかかってくる。

先ほどよりも一撃が重い。だがそれ以上に雑だ。

攻撃を仕掛けながら突きつけるように話し始めた。


「親ふたりにはずっと期待されて、好きなことも満足にできず。敷かれたレールを進み続けた…!」

「今だってそうだ!お前の事を殺せとな!!」



ぶつかって、ガキィンと響いた互いの武器。

鍔迫り合いのままぶつかるのは互いの主張。


「お前は親の期待を背負うこと無く生きてきてさぞ楽しかっただろうよ!」


巫山戯んな…!


「アンタにはわからない!親に捨てられた私の気持ちなんて!」


突き放すように言い放ち、距離を取った。


「俺はこんな人生を歩むくらいなら捨てられて、自由に生きたかった!!」

「多少の不自由の中でも愛されるのが常だっただろう!例えそれが欲しい形とは違っていても!」

「アイツらは俺を愛してくれたことなんてない!見捨てられないために、ずっと…!

ずっと期待に応えて生きてきた!俺の意思なんて、関係ないんだよ…!」




『期待に応えれば、見放されないでしょ?』




そっか。


アンタも同じだったんだね。

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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2023年5月5日 17時) (レス) @page43 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き粉(プロフ) - 月守ショコラさん» ありがとうございます!仲間ですねウヘヘ← (2018年10月12日 7時) (レス) id: 5927658f25 (このIDを非表示/違反報告)
月守ショコラ(プロフ) - オリキャラのやつ、私も拝見しています!これからもがんばってください! (2018年10月11日 21時) (レス) id: b1a1cb7aec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:歯磨き粉 | 作成日時:2018年9月18日 22時

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