愛を欲すは孤独の狼-2

ろくじゅう ページ11

その後、赤井の車に乗せてもらって仮宿に戻った。

何か話してたけど、あんまり覚えてないな。

ん？仮宿？


「服を貸すのは構わないが、他にも欲しいものがあるだろう。」

「…あぁ。」

「変な輩がいたら締めておく。部屋で何かあれば連絡しろ。」


小さく頷いてドアを開けた。

明るくなり始めた空なんて気にも止めず、あの部屋に戻る。


玄関から見た感じ荒らされた跡もないし、特に変わった事はないようだ。

人の気配もない。

多少の緊張を解いてドアを閉めた時だった。


いつもより重い…？


念の為ドアにつけられた簡易ポストを開けてみればファイルに入った資料と写真、封筒が。


「…Kate・Cross」


アイツか…！

資料を取り出してリビングで読む。



ケイトと私は、正真正銘の双子。

クロス夫妻は優秀な子供を作るために、体外受精を選択した。

クロス夫妻は健康で、心身共に異常はなく、子供も五体満足の健康体で生まれた。


写真は、私とケイトと思われる写真が。



違う。私が知りたいのは、こんな事じゃない。


封筒を開けてみると手紙。

それもご丁寧に手書き。



【分かってもらえた？俺と君は本物の双子。

君が捨てられた理由、さっきは将来的に力が弱くなるからって言ったけど、父さんと母さんはね

第一子の方が知能指数が高くなるから

って言っていたよ。

本当にその通りだったね。

君は出来損ない。所謂失敗作。




所詮、君は要らない子。】





「…そ、だったんだ…。」



やっぱり、私はダメな子なんだ。

昔から分かってたけどさ。


人並みにできるのは勉強くらいで、運動やら部活やら、人間関係なんてもっと下手くそだった。

私には、取り柄も才能なんてものも無い。

そんな風に思ってたけどきっと血筋的に兄とされるあの男に全部持っていかれたんだろうな。

こんな子に育つって見えてたから親と呼ばれる奴らは私を捨てたわけで。

要するに、才能のない子は要りません。ってことだ。

結局、今までの私の努力はほぼ全部無駄だったんだ。

まぁ、努力して報われた事なんて数える程でもないけども。

これこそ、才能だな。




あーぁ。

もう、何も考えたくない。






…あ、報告しなきゃ。




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最近朝更新ばかりですみません

でも何故か朝更新にした時くらいからヒット数が伸びたんですよ笑

通勤通学がバスや電車の方には暇つぶしになるのかもしれませんね

逆に夜ゆっくり読みたい方には本当に申し訳ないです…！すみません

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