私はある兄弟に正体を知られてしまった様で【地縛少年花子くん】

七不思議 捌拾肆話 ページ36

貴方said






貴「え....どうして此処に.......いるの」







なかなか現状が掴めない私は、戸惑いながらも





目の前に居る司に問う









司「どうしてって.....そりゃあ、Aに会いにだよ？」







貴「.......なんで、また急に、私なんかに.......会いnｯ」








すると突然、視界が暗くなり言葉が詰まる








“会いに来るのよ”と言いかけたとき、







目の前に司が居て、まるで割れモノを扱うように









そっと、私を抱きしめた









司「やっと、見つけたよ.......A」









貴「ｯ.......」









今の、私の頭のなかでは驚きと混乱が同時にぶつかって訳の分からないことになっていた.......









貴「(頭が追いつかない......司が私を優しく抱きしめるなんて......)」









それも、そのはずだ









“昔”はこんな事してくれなかったから.......









追いつかない頭で、そうこう考えているうちに









司が口を開いた








司「.......ねぇ、Aどうして俺の前からいなくなっちゃったの？」









司「.......俺凄く辛かったんだよ？大事な大事なAが目の前から消えて、俺の手の届かない所へ行ってさ」








貴「.......」








ただ、ただ司が喋っているのを聞いているだけで







私は何も言えない......









司「.......でも、いいんだｧ、やっとAに会えたんだから」ﾆﾔｯ








不敵な笑みを浮かべる司に恐怖を感じた私は









不覚にも言うと面倒事を引き起こす引き金となる単語をつい小声で言ってしまった









貴「.......普」((ﾎﾞｿｯ…

七不思議 捌拾伍話→←七不思議 捌拾参話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す