雪 ページ39
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「だるちゃんみてみて!!!雪降ってる!!」
まだ空は少し暗くて、空気が冷たい朝のこと。俺は目に入れても痛くないほど大切な彼女のそんな声で起こされた。
「ん〜……ゆきぃ?
…………ほんまや、ぱらぱら降ってんなぁ。」
「だね、めちゃくちゃきれい。………積もるかな?」
「どうやろなぁ………」
三重はある程度雪が積もるから俺は雪を見慣れてるけど都会生まれ都会育ちのAは雪なんてほとんど見た事ないらしく目を輝かせて窓にへばりつく勢いで外を見ている。
「積もったら一緒に雪だるま作ろ、私人生で1回でいいからやって見たかったの。」
そういう彼女に雪なんか寒いだけや、と思っていた俺の単純な心はどこか遠いところに飛んでいってしまった。
今すぐにAと雪遊びをしたい気分になったけど積もるにしても時間がかかりそうだしAも眠たいだろう。そう
思ったから、
「ふは、ええよ。遊ぼか。
でもまだ早いし積もるんにも時間かかるやろからもっかい寝よか。」
まるで子供に言い聞かせるかのようにAを布団へ誘う。
「ん、わかった。………だるちゃんぎゅーして?」
と思っていたより素直な反応。意外やなぁ、そう思ったけど入ってくれるんやったらなんでもええわ。なんて考えてbedに入る。
そして2人でひっつきながらゆっくり眠るのだった。
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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月26日 1時