だるまいずごっどとの日常 (ページ34)

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俺だけ見てページ34

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『俺から離れないでよ。ずっと、お前だけが好きだったんだ……。』

「はぅ……………イケメンすぎる………」

タオルケットに包まって漫画を読む。私にとって至福のひとときである。……………とあるお休みの日、作業が残ってるらしいだるちゃんは防音室から出てこなくて暇だった私はゴロゴロと少女漫画を眺めていた。

最近忙しくて読めてなかったからなぁ～なんて思いながら手に取った先は沼だった。それから2時間か3時間ぐらいはずっと読み続けてる。今はすれ違いを重ねてた主人公と幼なじみがやっと結ばれるなんてめちゃくちゃにいい所で、その幼なじみのセリフについ声に出してときめいてしまう。

……………だからそんなに集中してて気づかなかったんだ、いつの間にかリビングにいただるちゃんが面白くなさそうな顔で見てたって。

「俺以外のやつにイケメンって言うとか浮気～？許せやんのやけど」

「わっ、だるちゃん。作業終わったの？」

「ん、終わった。」

「そっかそっかお疲れ様。」

するりと近づいてきただるちゃんはムスッとした顔で私の持ってた少女漫画を取り上げた。

「…………でさ、その漫画返してもらえると嬉しいんだけど」

「え、いややけど。」

「なんで………？」

いきなり取り上げられて納得のいかない私は取り返そうとするけどだるちゃんの一言であしらわれた。

「Aが俺以外にときめくとか実質浮気やない？」

「えっ浮気なの？」

突拍子なだるちゃんの発言に驚く。浮気なの？

「浮気やろ、」

「…………そんなわけ、」

「あるしぃ」

まるでガキみたいな態度。もしかしたら、なんてひとつ心当たりがあった。

「………もしかしてさ、少女漫画のキャラクターに嫉妬しちゃったり？」

「…………うるさいなぁ」

図星を突かれたのか耳まで赤くなるだるちゃんの顔になんだか悪戯心が湧いてくる。

「嫉妬したの？可愛いね～。」

クスクスと口に手を当てて笑う。

「………その生意気な口塞いだろか？」

なんてからかっていたらふに、と唇に優しくあたる柔らかい感触。気づいた時にはさっきのだるちゃんのことを馬鹿にできないくらい私の顔も真っ赤で。

「…………………ばか、」

「Aも顔真っ赤やで？かわええな～」

そんなだるちゃんの言葉に何も言い返せないのでした。