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空は真っ暗で、時々ガッシャーンなんて大きな音が鳴り響いた後ピカッっと光る。
そんな光景を窓越しに眺めながら私は震えるしか無かった。いい歳こいた大人が恥ずかしいかもしれないけど私は子供の時から雷が苦手で大嫌いだった。
今は昔よりマシだけど、それでも怖くて。


だるちゃんに頼ろうにも今はきっとありちゃん達とゲームをしている時間で。
怖くて、怖くてどうしようもなくて。
お気に入りのブランケットで顔ごとすっぽり隠した。だけどそれだけでは雷の音を遮ることは難しくて。


どうしよう、どうしようなんて恐怖と混乱でもうどうしようもなくなる。


カタカタ、カタカタ


そうやって震える時間はたった数分だったのだろうけど永遠にも感じられて。

無理かも、そう考えていたらブランケットの上から少し厚めの掛け布団を被せられた。



「ぁ………」


「くんの遅くなってごめんな。向こう防音で気づかやんかったわ。

ほら、もう俺おるから怖くないよ。」



そうやって布団越しに声をかけてくれるのは愛しの彼氏のだるちゃんで。私の大好きな声でぽしょぽしょ話しかけられてやさしい手でぽんぽんされていると段々ごちゃごちゃになっていた思考もまとまってくる。




感情の波がゆっくりと徐々に引いていって。完全になくなった頃には雷はやんでいた。



「あり、がと……だるちゃん」


「ん、全然大丈夫やで?
今度から配信中でも雷鳴ったら部屋はいっておいで、多分向こうの方が音も聞こえやんし。」


「わか……った、」



配信中でも入ってきていいと言う彼の言葉から私へのあいが見えて嬉しくなる。






あぁ、彼は私にとってヒーローだ。




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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月26日 1時

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