好き、嫌い、好き Ⅲ (ページ25)

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菅「避けられてる？」

私何やってるんだろう。
取材を終えたとは言え、菅野さんに相談するなんて。

菅「気のせいじゃないですか‥？」

少し考えて、私を心配するように返答してくれた彼は、すっかり困り顔

『そうですよね、気にしすぎですよね』

謝罪をして、片付けを進めていると

“あっ”と菅野さんが何かを思い出したように言った。

『え？』

菅「まあ、避けられてると感じるなら、あの事かも」

『あの事？』

菅「ほら、こないだ勇人さんの家に泊まったってやつです。あれ、勇人さん結構冷やかされてたんで」

“Aさんと話すの、恥ずかしいんじゃないですか？”

菅野さんの説明に少し納得しつつも

あの勇人が、そんな冷やかしを気にして私を避けるか？と思ったり

神経は大木くらい太い男なのに。

まあ、どっちにしろ私がどうにかできる問題でもなさそう。

どうせ、会わなくなるんだし

いっか。

何よ、もう会わなくなるのに
最後くらいにこにこして愛想振り撒いてみなさいよ。

ばーか、ばーか

勇人のばか

菅「Aさん？」

『っへ、』

菅「俺もういいですか？」

『あっ、すみません‥！ありがとうございました、お疲れ様ですっ』

菅「Aさんこそ、長い間お疲れ様です。最後の取材も頑張ってくださいね」

まあできればプライベートのほうも、

と付け加えた言葉の意味は分からないから放っておくとして

最後まで、礼儀正しい菅野さんと握手をして別れた。

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