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「菅野さんゴルフお上手なんですよね？私も最近始めたんですけど、なかなか上手くいかなくて」
菅「へえ、いつ頃始められたんですか？」
「半年くらいかしら、」
林「智之、マジで上手いですよ」
会話が弾む一方で、Aは静かに席を立った。
彼女の前にあったグラスは、空になっていた。
お酒が苦手らしいが、先輩から勧められた酒は断れんらしい。
慎吾にトイレ、と伝え俺も席を立った。
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店のバルコニーで、Aは柵に体を預けていた。
「‥A、大丈夫か？」
俺の声に少し驚いて振り返った。
『、大丈夫。ちょっと酔っちゃって』
力なく微笑んだ彼女
その姿に、仕事へのプロ意識を感じた。
Aの横で、俺も同じように柵に凭れる。
『ごめんね、部長いつもはあんな感じじゃないんだけど』
「打ち合わせと違いすぎてビックリした」
火照ってほんのり赤い横顔
潤んでる唇に
アンニュイな姿に、少しだけドキリとした。
そっと夜風が、Aの髪を揺らした。
無意識、
って訳じゃないけど
気付いたらその髪に手を伸ばしていた。
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『‥、』
Aが、真っ直ぐ俺を見た。
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「っ、塵、ついてたから」
Aは風に漂う髪を押さえながら、“そっか”と呟いた。
「そろそろお開きにしよか、」
『‥そうだね』
「先戻ってる」
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「はぁ‥‥」
彼女から見えなくなったところで、大きく深呼吸をした。
何やってんねん、俺
塵なんかついてへんし
気付いたら触っとったとか、気持ち悪
片手で額を押さえた。
落ち着け、落ち着け、
ゆっくり、目を閉じた。
(‥‥髪、思った以上にサラサラやったな、)
「あーもう、ちゃう！」
そう言っても、
胸の高鳴りは止まらんかった。
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作者名：理彩 | 作成日時：2018年8月2日 22時
