好き、嫌い、好き Ⅱ (ページ43)

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それから3日後のこと。

Aがひょっこり球場に現れたのは。

『おはよう』

「あ、おはよ」

前より少し痩せた気がする。

いつみても、サラサラのストレートヘアは健在

『この間はありがとね』

「ええよ、別に」

あえて忘れたふり？

彼女は少しだけ笑みをこぼした。

『‥‥あのさ、』

「‥‥」

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『この間、勇人が話してくれたでしょ？』

彩登美さんのこと。

『っだけど、あの時意識がボーッとしてて、なんとなくしか覚えてないの。ごめんなさい、大事な話だったのに』

ホッとしたような。
ガッカリしたような。

そんな複雑な気持ち

でも、どこか彼女につられて笑ってしまう。

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「ええよ、別に。俺は話せてスッキリしたし」

痩せ我慢でもよかった。

Aに弱い姿だけは、見せたくないと思ったから。

「今日は何しに来てん？」

『仕事だよ、私も』

「内海さんがAの体調心配しとったで」

『ほんと？ちゃんとお話しないと』

「あー、そうしとき」

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「‥‥勇人くん？」

二人で通路をならんで歩いてると

懐かしい声がした。

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