好き、嫌い、好き Ⅱ (ページ38)

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「‥何やってんすか、内海さん」

シャワールームに向かうと、ドライヤーで髪をセットする内海さんがいた。

内「何って、今日はインタビューの日やもん。整えとかんと」

ああ、Aが来るからか。

ってことは、必然的に俺も会う流れか。

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避けてばっかじゃなんも進まんって

わかってるけど

梶「坂本さん、内海さんこんにちは」

後ろから声をかけられて、振り返る。
当然、梶原さんの横にはAもいるんだと思った。

「ぁ、こんにちは」

内「こんにちは。‥今日、桜庭さんは？」

梶「それが、先日から体調不良で休んでるんですよ」

梶原さんは、困ったように笑った。
かたや、内海さんは顔をしょげさせた。

梶「お見舞いに行こうにも、忙しくて、」

熱あるんかな。
それとも腹痛？

病院には行ったんかな。
広島から出てきたみたいやし、
親にも頼れんのやろな。

内「そんなら俺たちがお見舞い行ってきますよ。勇人の家と近いですし」

「「えっ」」

俺と梶原さんの声が重なった。

何言うてんの、この人

梶原さんも梶原さんで助かります、なんて言っちゃってるし。

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「内海さん、俺は行きませんよ」

内「はあー？お前がおらな家わからんやろ。菅野にも声かけとくから！」

ポンポンと肩を叩かれ、軽い足取りで内海さんは去っていった。

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