好き、嫌い、好き Ⅱ (ページ13)

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家に帰って、水を一杯飲む。

モノトーンで揃えたこの広すぎる部屋も、ひとりでは空しいただの箱

「‥何やろな、」

ざわざわするような
落ち着かないような

この気持ち。

久々の感情のような気もする。

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ポケットにいれていた携帯が鳴った。
慎吾からだ。

「もしもし」

慎「お疲れ様です。もうお家ですか？」

「そうやけど、慎吾もついた？」

慎「はい。それで、どうなったんすか？」

「どうなったって、何がや」

電話の奥のあいつは、は？なんて間抜けた声を出した。

慎「いやいや、Aさんとですよ。あんな大胆な事しておいて、ただの友達とか言いませんよね？」

言葉が詰まる。

今の俺は、きっと友達以下。

「‥‥別になんでもねーから」

慎「いやいやみんな疑ってましたよ？」

慎吾みたいに流暢にしゃべれるのが羨ましい。
(顔もええし、)

「ほんまに何でもない。Aが住むとこ探してたから、知り合いのマンション紹介しただけ」

慎「ほんまですか？お二人お似合いのように見えますけど」

「思ってないだろ。そもそも、あいつ彼氏と別れたばっかだぞ」

いや、俺にもそんな気ないし。
今のままじゃ、俺があいつに気があるみたいやん。

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「勘違いするな。もう切るぞ、」

まだ何かワーワー言ってたけど、一方的に通話を切る。

(厄介なことになりそうやな、)

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